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  1. 鹿児島市議会 2006-06-01
    06月19日-03号


    取得元: 鹿児島市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-20
    平成18年第2回定例会(6月)   議事日程 第三号     平成十八年六月十九日(月曜)午前十時 開議第 一 第七号議案ないし第二六号議案────────────────────────────────────────   本日の会議に付した事件議事日程のとおり────────────────────────────────────────   (出席議員 五十四人)  一  番   和  田  幸  一  議員  二  番   脇  田  高  徳  議員  三  番   池  山  泰  正  議員  四  番   竹 ノ 下     光  議員  五  番   長  浜  昌  三  議員  六  番   の ぐ ち  英 一 郎  議員  七  番   欠  員  八  番   杉  尾  巨  樹  議員  九  番   奥  山 よしじろう  議員  十  番   川  越  桂  路  議員  十一 番   山  口  た け し  議員  十二 番   堀     純  則  議員  十三 番   古  江  尚  子  議員  十四 番   大  森     忍  議員  十五 番   小  森  のぶたか  議員  十六 番   崎  元  ひろのり  議員  十七 番   井  上     剛  議員  十八 番   大  園  盛  仁  議員  十九 番   小  川  み さ 子  議員  二十 番   仮  屋  秀  一  議員  二十一番   豊  平     純  議員  二十二番   柿  元  一  雄  議員  二十三番   田  中  良  一  議員  二十四番   志  摩  れ い 子  議員  二十五番   谷  川  修  一  議員  二十六番   ふじくぼ  博  文  議員  二十七番   北  森  た か お  議員  二十八番   中  尾  ま さ 子  議員  二十九番   う え だ  勇  作  議員  三十 番   三 反 園  輝  男  議員  三十一番   山  下  ひ と み  議員  三十二番   黒  木  すみかず  議員  三十三番   小  森  こうぶん  議員  三十四番   鶴  薗  勝  利  議員  三十五番   幾  村  清  徳  議員  三十六番   長  田  徳 太 郎  議員  三十七番   ふくし山  ノブスケ  議員  三十八番   森  山  き よ み  議員  三十九番   うえがき     勉  議員  四十 番   藤  田  て る み  議員  四十一番   政  田  け い じ  議員  四十二番   ふ じ た  太  一  議員  四十三番   竹  原  よ し 子  議員  四十四番   上  門  秀  彦  議員  四十五番   平  山     哲  議員  四十六番   西  川  かずひろ  議員  四十七番   下  村  祐  毅  議員  四十八番   入  船  攻  一  議員  四十九番   赤  崎  正  剛  議員  五十 番   秋  広  正  健  議員  五十一番   竹 之 下  たかはる  議員  五十二番   川  野  幹  男  議員  五十三番   片  平  孝  市  議員  五十四番   泉     広  明  議員  五十五番   平  山  た か し  議員     ──────────────────────────────   (欠席議員 なし)     ──────────────────────────────   事務局職員出席者  事務局長   大  西  義  幸  君  議事課長   北  山  一  郎  君  総務課長   原  園  政  志  君  政務調査課長 吉  永  直  人  君  議事係長   宮 之 原     賢  君  委員会係長  尾 ノ 上  優  二  君  議事課主査  奥     浩  文  君  議事課主事  九  反  大  介  君     ──────────────────────────────   説明のため出席した者  市長     森     博  幸  君  助役     大  平  和  久  君  助役     山  本  克  也  君  収入役    渡  邊  眞 一 郎  君  教育長    石  踊  政  昭  君  代表監査委員 山  元  貞  明  君  市立病院長  上 津 原  甲  一  君  交通局長   永  田  哲  夫  君  水道局長   園  田  太 計 夫  君  総務局長   草  留  義  一  君  総務局参事  四  元  正  二  君  市民局長   松 木 園  富  雄  君  市民局参事  児  島  文  雄  君  環境局長   上  田     稔  君  健康福祉局長 邦  村  昇  蔵  君  健康福祉局参事今  吉  悦  朗  君  健康福祉局参事折  田  勝  郎  君  経済局長   川  原     勤  君  建設局長   山  中  敏  隆  君  消防局長   隈  元     一  君  病院事務局長 松  永  初  男  君  船舶部長   森     英  夫  君  企画部長   新  地  茂  樹  君  総務部長   松  元  幸  博  君  税務部長   徳  永  良  一  君  市民部長   窪  島  彬  文  君  環境部長   松  岡  志  郎  君  清掃部長   古  川  秀  樹  君  福祉事務所長 日  高  隆 一 郎  君  商工観光部長 成  清  次  男  君  農林水産部長 山  元  誠  一  君  建設管理部長 松  山  芳  英  君  都市計画部長 原  口     悟  君  建築部長   角  田  正  雄  君  道路部長   原  田  由  晴  君  交通局次長  藤  田  幸  雄  君  水道局総務部長徳  永  文  男  君  教育委員会事務局管理部長         福  元  修 三 郎  君  秘書課長   松  永  範  芳  君     ────────────────────────────── 平成十八年六月十九日 午前十時 開議 △開議 ○議長(赤崎正剛君) これより、本日の会議を開きます。 △報告 ○議長(赤崎正剛君) この際、報告をいたします。 今議会に陳情七件の提出がありました。これらの陳情のうち、所管の常任委員会に参考送付いたしました陳情一件を除くその他の陳情六件については、いずれも所管の常任委員会に付託いたします。 本日の議事日程は、お手元に配付いたしました議事日程第三号のとおりであります。 △第七号議案─第二六号議案上程 ○議長(赤崎正剛君) それでは、日程第一 第七号議案ないし第二六号議案の議案二十件を一括議題といたします。 件名の朗読を省略し、前回の議事を継続して質疑を続行いたします。 △個人質疑(続) ○議長(赤崎正剛君) それでは、引き続き個人質疑の発言を順次許可いたします。 まず、大森 忍議員。   [大森 忍議員 登壇](拍手) ◆(大森忍議員) 二〇〇六年第二回市議会定例会に当たり、私は社民党市議団の一員として個人質疑を行います。 地元新聞の南日本新聞三月五日号の記事によりますと、イージス艦から軽油約九十五リットルの漏出が見つかったのが二月二十七日。外国船籍の商船や貨物船などが油を漏出した場合、海上保安部は、海洋汚染・海上災害防止法などの国内法に基づき、船内の立入検査、乗組員の事情聴取や実況見分を重ね、刑事責任を問う必要がある場合は立件しなければならないと聞いておりますが、このイージス艦からの油漏れの原因究明、さらに再発防止等については、どうなったのかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎総務局長(草留義一君) 米海軍イージス艦の油漏れ事故につきましては、日米地位協定等により、海上保安部の立ち入りや調査ができなかったとされているようでございます。 また、鹿児島海上保安部にお聞きしたところ、同海上保安部よりイージス艦の上部機関へ、また、海上保安庁より在日米海軍司令官へそれぞれ原因究明に関する申し入れ及び再発防止を求める旨の要請をされたとのことでございますが、現在のところ、原因については明らかにされていないところでございます。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 日米地位協定により原因究明ができなかったという答弁ですが、油流出は、環境の悪化など市民生活に大きな影響を与えかねず、今後、油流出だけにとどまらないことも予想されるとすれば、少なくとも原因が市民に示されない中で、市民の生命・財産を守るべき行政として、どう対応されていくのかお示しをください。 以上、答弁を求めます。 ◎総務局長(草留義一君) 市民生活の安全を守る観点からいたしますと、事故原因の究明等をすることは重要なことではございますが、このようなケースにおきましては、国においてその原因究明等について適切に対応されるべきものと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 平たく言えば、国が対処する問題というお答えでした。私は、正直言いまして、これまで日米安保による地位協定の問題は、沖縄の問題であり、自分たちの身近な問題ではないという認識がありました。 しかし、今回の軽油漏れを通して、まさに沖縄だけの問題ではなく、自分たちの問題だと実感しました。原因が何かわからない。再発もあるかもしれない。日本の法律が優先されない。これでは、私たちは不安があっても、言葉は適当でないかもしれませんが、指をくわえて見ているだけの状態と何ら変わりありません。 鹿屋の空中給油機移駐の問題も、地位協定により、米軍が来たその日から、米軍は守られても市民は守られないという事態も予想されます。 今、日本政府は、在日米軍再編の動きの中で周辺事態法改正の検討に入っています。これは、日本が直接攻撃される日本有事の場合、空港や港湾提供の自治体協力を義務化しようとするものです。義務化するということは、命令を守れ、市民生活は二の次ということなのではないでしょうか。 本市でも今年度、戦争に協力していく国民保護計画が策定されます。我が会派は、本会議でこの計画策定の問題点を指摘をし、反対いたしました。国民保護計画策定を急ぐ前に、指をくわえて見ているだけの状況を本市としても何とかしなければならないのではないでしょうか。同時に今の地位協定がある以上、何ら変わりはありません。地位協定改定に向けて、私たちも努力をしていきたいということを申し上げておきます。 次に、イージス艦の核搭載の有無についてお伺いいたします。 イージス艦ジョン・S・マケインは、報道によりますと、高性能の電子装備とトマホークなど各種ミサイルを搭載した最新鋭の米海軍ミサイル駆逐艦で、一九九四年七月の就役、米第七艦隊所属で、横須賀港が母港と言われています。軽量簡易化した電子航空装置イージスシステムを装備。百六十キロ先の野球ボールを識別すると言われ、対潜水艦作戦のほか、最先端の探知追尾システムとミサイルを結びつけ、空母艦隊群を脅かす敵飛行機を発見し撃墜する能力を持ち、甲板前部・後部に九十基のミサイル垂直発射筒を装備。搭載された巡航ミサイルには、核弾頭も装着可能だと言われています。 そこでお伺いいたします。 鹿児島市議会は、一九九八年に鹿児島港における非核平和利用に関する決議を行っています。決議の内容は、非核三原則を遵守し、県民・市民に親しまれる平和な鹿児島港でなければならないとして、非核平和利用の徹底を強く求められています。 また、本市として、外国艦船が入国する際には、県に対して文書で核搭載の有無を照会するようになっていると認識していますが、今回のイージス艦ジョン・S・マケインについては、いつどのような対応をとられたのか。 さらに、この五年間で言いますと、同様の対応は何件とられているのか。年代別にお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎総務局長(草留義一君) イージス艦入港の際の本市の対応でございますが、本年一月二十七日に、県に対して文書で核搭載有無の確認を照会いたしましたところ、県が外務省へ確認され、二月一日に核が存在しない旨の回答を県から得たところでございます。 また、過去五年間の件数を年度ごとに申し上げますと、平成十三年度三件、十四年度一件、十五年度三件、十六年度一件、十七年度二件となっております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁をいただきました。 この五年間だけでの米艦船の鹿児島入港の数の多さに正直驚きました。鹿児島港の非核平和利用については、県からの回答で確認しているとのこと。その内容は恐らく外務省に確認したところ、事前協議の申し出がないので、核は搭載していないとのことだろうとは思いますが、先ほどの地位協定と同様に、鹿児島に入港するときには核は積んでいないと素直に受けとめられません。 神戸市は、港湾施設条例を根拠に核搭載の有無の証明書提出を義務づけています。そのため、核の有無を明らかにしない米国の方針に縛られて、軍艦の入港はありません。 鹿児島港の港湾管理者は鹿児島県であるとはいえ、市民の生命と財産を守るべき本市の役割としては、危険なものは持ち込ませない、きちんとしたことがわからないままでの入港は認めさせないという姿勢が必要なのではないでしょうか。今後とも、この問題については粘り強く取り組んでいくことを申し上げておきます。 次の質問に移ります。 来年は、国鉄が分割民営化されJRが発足して二十年になります。私は、最近問題になっているエレベーター事故問題、耐震強度偽装問題など利益優先、安全無視の流れは、あの国鉄分割民営化以降、静かに浸透していったのではないか。いや、国鉄からJR以降、現在もこの流れは脈々と流れているのではないかという思いを強くしています。 昨年四月に百七人の犠牲者を出したJR福知山線の事故を受けて、国鉄改革を行った当時、運輸大臣だった橋本元総理が、昨年十二月二十二日の新聞でのインタビューで、「福知山線事故が起こって、私は国鉄改革をやったことをものすごく後悔している」と発言されていることは、大変複雑な思いでした。福知山線事故は、数千万人のJR利用者に、JRは安全よりも効率、利益優先ではないのかとの不安感や不信感を与えました。 この事故を受け、JR全体も国土省も、JRの体質を安全第一に変えると強調していますが、福知山線事故から一年もたたない中で、JR東日本の羽越線の列車転覆事故で五人が死亡。JR西日本の伯備線では、列車が保線労働者をはねて三人が犠牲になり、首都圏の山手線では、死傷者は出ませんでしたが、線路が五センチも浮き上がり、山手線が五時間半もストップするというトラブルも発生しています。 さらに、国土交通省は、二〇〇五年十月四日に平成十六年度鉄道事故調査結果を発表しました。その中を見てみますと、JR七社の運転事故件数は、対前年度比七件増の四百四十五件。輸送障害事故は、対前年比九百九十七件増の何と三千四百二十一件と急増しています。アメリカ型と言われる弱肉強食の市場原理の性急な適用は、医・食・住・交通と環境を犠牲にし、巨大企業のもうけだけを膨らませてきました。その民営化、規制緩和路線のマイナスの集約が福知山線事故ではないかという指摘も行われています。 そこでお伺いします。 かつて世界で最も安全な国と評価されてきた日本の安全性が、近年著しく低下している背景には、あの耐震強度偽装設計問題でも指摘されたように、効率と利益優先の民営化、規制緩和政策の影響があるのではないかと思われます。森市長の認識と見解をお伺いいたします。 以上、答弁を求めます。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 大森 忍議員にお答えいたします。 お触れになりました耐震強度偽装問題など国民に不安と不信を与える事件が発生したことは、非常に遺憾なことであり、規制緩和がもたらす負の一面を浮かび上がらせた感もあると考えております。 民営化や規制緩和につきましては、業務の効率化を図るための一つの方策であり、自由な競争の促進や民間活力の活用といった点で、これを進めていくことは必要なことであると考えておりますが、これらは、安心・安全が担保される中で、住民サービスの向上という視点を持って進められるべきものであり、利便性や経済性のみを重視し、安全性が軽視されるようなことはあってはならないことであると考えております。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 森市長から答弁をいただきました。 利便性や経済性のみを重視し、安全性が軽視されるようなことはあってはならないことであるということでした。全く同感でございます。昨今の利益だけを求めていく企業のあり方、その利益も働く者のコストを減らし、健康を破壊し、権利を奪い、さらに安全面のコストを減らす中で生み出していくというやり方は、企業の社会性という意味からも大変問題だと思います。 本市でも公的施設に指定管理者制度が導入されています。コストを下げるということだけではなく、住民サービスの向上、さらには働く方々の、そして施設を利用される方々の安全を第一に考えていただきますように要望いたしておきます。 次に、国鉄分割民営化によって残されたもう一つの課題、JR不採用問題です。 国鉄がJRに移行するに当たり、当時の総理であった中曽根首相は国会で「一人も路頭に迷わせない。組合差別は行わない」と明言いたしました。しかし、結果的には、北海道、九州を中心として一千四十七名が解雇されました。 このJR不採用問題をめぐっては、JRに採用されずに国鉄清算事業団を解雇された国労の組合員が、国鉄清算事業団を引き継いだ独立行政法人鉄道建設運輸施設整備支援機構に雇用関係の存在確認と慰謝料などの支払いを求めた訴訟の判決が、昨年九月十五日に東京地裁で行われました。 この裁判で裁判長は、JRへの採用に絡む組合差別があったと認定し、慰謝料の支払いを同機構に命じました。この間、アルバイトで生計を立てながら闘争を続けている方々は、鹿児島県で三十九名、宮崎県で三十名、合計六十九名で鹿児島闘争団を組織しています。一方、この二十年に及ぶ闘いの中で、病気等により三人の方々が解決を見ないままに死亡されています。当時小さかった子供たちも二十歳を超えるという長期の争議になっています。 こういう事態に対し、国際労働機構のILOは、二〇〇四年六月、第六次の勧告として「人道的立場に立って、すべての関係当事者間の話し合いによる解決を早急に図るべき」と日本政府に勧告しています。さらに、本件の人道的な解決を求める地方自治体の意見書採択は、全国で六百五十九自治体、九百四十九本に上っています。 そこでお伺いいたします。 国鉄の分割民営化という国の施策の実施過程で起きた事件であるだけに、政府の責任による早期の解決が強く求められると考えますが、市長のこの問題に対する認識と御見解をお伺いいたします。 以上、答弁を求めます。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) JR不採用問題についてでございますが、昭和六十二年四月に旧国鉄が分割民営化された際、JRに採用されなかった方々が国鉄清算事業団に移行し、この中の再就職先未決定者に対し、国において、いわゆる再就職促進特別措置法による再就職対策が実施されましたが、同法の失効によりまして一千四十七名の方が解雇されました。 この問題につきましては、関係者間においてこれまで問題解決に向けたさまざまな動きがあり、また、国におきましても、JR各社や関係労働組合等との調整を図るなど関係者への働きかけが行われてきたところでございますが、いまだに解決されていないところでございます。 私は、この問題につきましては、国のレベルにおきまして、関係者間で円満な解決に向けて努力していただき、一日も早く解決されることを心から望んでおります。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 森市長から、「国のレベルにおきまして、関係者間で円満な解決に向けて努力していただき、一日も早く解決されることを心から望んでおります」という御見解をいただきました。 もう二十年もかかっています。ぜひ早期の解決が図られますように、機会あるごとに県や国に働きかけていただきますよう強く要望いたしておきます。 新しい質問に入ります。 赤字バス路線の撤退を表明している岩崎グループは、五月八日、十一月八日から鹿児島県内の百九十九路線の廃止、都城市などで運行する九路線の廃止を国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局と宮崎運輸支局に提出しました。 計画によると、廃止対象は二百八路線、系統数では三百二十三系統、運行距離は一千百七十四・七キロが廃止され、大変大きな影響が考えられますし、特にお年寄りや子供たちなど交通弱者と言われる人たちにとっては、生活路線としての公共交通がなくなってしまえば死活問題です。 この問題の背景には、これまた規制緩和の流れの中で二〇〇二年二月の改正道路運送法が施行され、乗合バス事業の需給調整規制は撤廃されました。これによりバス事業者は、撤退の届け出から六カ月間経過すれば自動的に退出が可能となりました。 また、二〇〇一年からは、地方バス路線に対して支給している補助金の支給基準について、広域・幹線路線に限定するとの条件を加えて路線を絞り込む中で、生活路線バスの廃止の流れは加速しています。 岩崎側も南日本新聞のインタビューの中で、「二〇〇二年の自由化後、県などに考えてくれるよう訴えてきた。赤字の地方路線をだれがどのような形で担うのか。セーフティーネットなら、国がもっと関与するよう地方が訴えるなど、地方自治体に主体となってもらいたいという考えもある」と言われております。 また、「当たり前のように走っていたバスが一部通らなくなる。病院などへどうやって行こうか。やはりこれは市や町だけではなく、国や鹿児島県全体の問題ととらえ、解決の糸口を見つけてほしい」あるいは「こうなる前に早く対処する方法を考えてほしかった」などが率直な利用者の声です。 そこでお伺いいたします。 公共交通の維持と行政の役割について、この間の取り組みの現状と課題をお示しください。 以上、答弁を求めます。
    ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 本年四月六日に岩崎グループから今回のバス路線廃止計画が示されて以降の本市の対応でございますが、まず、今回の廃止計画は、廃止対象路線の沿線自治体が、本市を含む県内の三十市町にも及ぶ大規模な内容であったことから、県に対し各面からの取り組みを実施していただくよう要請を行ったところでございます。また、同グループに対しましても、地域住民への影響を考慮して運行を継続していただくよう要請を行ったところでございます。 さらに、五月八日に同グループから九州運輸局に対して道路運送法に基づく廃止の届け出がなされました後は、県に対して開催を要請いたしました県バス対策協議会路線確保対策部会において、本日までに二回、廃止に係る運行系統・路線区間の確認やデータの確認作業を実施してきたところでございます。 現段階における課題といたしましては、廃止対象運行系統が多岐にわたっておりますことから、その運行経路や利用実態等を把握する必要があるものと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 今後、本市としては、運行経路や利用実態等を把握するということです。先日、赤字で路線廃止が相次ぐバス、鉄道など地方の公共交通について、行政がまちづくりの一環として交通計画を定め、公的資金も投入して路線整備や利便性向上に取り組むべきだとする提言をまとめたという報道がありました。 また、提言は、高齢化社会に合わせ、歩いて暮らせるまちづくりや環境対策のためには、公共交通の充実が不可欠と指摘されています。全く同感であります。官から民だけではなく、民ができないところを官が補足していく。これが弱者に優しい政治、行政のあり方ではないかと思います。 次に、これが計画どおりに実施された場合、本市では幾つの路線、幾つの系統が廃止になるのか。そのことにより、市民の皆様にどういう影響が出てくるのか。また、このバス会社で働く方々にも大きな影響が出てくると思われますが、会社の計画では何人の人減らしが予想されるのかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 岩崎グループの路線バス等の廃止に伴う人員整理問題につきましては、本市といたしましては具体的に把握できていないところでございますが、鹿児島労働局によりますと、同グループといたしましては、人員整理の人数については現時点ではお示しすることはできないとのことでございました。 本市といたしましては、今後とも国など関係機関とも連携を図りながら、情報収集に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 本市にかかわる廃止対象の運行系統数及び路線区間数でございますが、七十四の運行系統、三十五の路線区間について、同グループから九州運輸局に対して廃止の届け出がなされたところでございます。 廃止対象とされている運行系統及び路線区間は、いずれもこれまで地域住民の交通手段としての役割を担ってきており、廃止された場合、地域住民の生活に影響があるものと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 本市にかかわる廃止対象は、七十四の運行系統、三十五の路線区間、市民にも大変大きな影響が出てくるようです。また、岩崎グループで働いていらっしゃる方々にも大きな影響が予想されます。今、景気は回復基調が見られると言われていますが、地方の私たちにはまだまだ実感できませんし、雇用問題も厳しいままです。バス路線をどう維持していくのか、雇用をどう守っていくのか、課題は山積しています。 次に、今後の見通しについてお伺いいたします。 報道によりますと、五月二十六日までに県内五地区で県バス対策協議会路線確保対策部会が発足し、それぞれ七月中旬までに廃止後の対応策を決める方針であるということですが、今後の見通し、バス路線を維持していくためにどういう取り組みをされていくのかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 今後の取り組みでございますが、まずは、廃止対象路線の実態について、近日中に調査を開始することといたしております。その後、調査結果等をもとに路線確保の必要性について検討することとなります。その上で路線を確保する必要があると判断されるときには、廃止された場合の代替措置についても検討することとなります。 また、これらの検討に当たりましては、県バス対策協議会路線確保対策部会の場においても協議を行い、七月中には一定の方向づけがなされるものと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 今後は、廃止対象路線の調査をし、それをもとに路線確保の必要性について検討する。そして、路線を確保する必要があると判断した場合、廃止された場合の代替措置についても検討をする。これは七月中には一定の方向づけを行うという考えのようです。 伊藤知事は、六月五日の定例会見で、岩崎グループのバス廃止問題に触れ、「路線の必要性を見きわめる際、利用人数以外に病院など公共的な施設、これは病院、福祉施設、行政機関などを挙げられていますが、この公共的な有無が基準になる」との考えを示されました。路線を確保する必要があるという判断は、できるだけ利用者の要望にこたえていくという立場での取り組みを要請いたしておきます。 この件での最後の質問に入ります。 岩崎グループの廃止は、バス路線だけではなく、貸し切りバス事業も撤退すると報道されています。この会社は二つの遊覧バス、いわゆる定期観光バスを走らせています。一つは鹿児島市内から桜島を回っていく桜島コース、そしてもう一つは鹿児島市内から指宿・知覧を回って鹿児島市内に帰ってくる指宿・知覧コースがあります。 特に指宿・知覧コースは、この会社だけのコースであり、指宿の長崎鼻、開聞岳、池田湖を回り、知覧の特攻平和観音、武家屋敷を回って鹿児島市内に帰ってくるコースは、県外の観光客からも好評であると聞いています。また、この貸し切り部門は、種子島や屋久島へも事業を展開するなど、本市・本県の観光にとっても大きな役割を果たしていると思います。 二〇一〇年の新幹線全線開通を見通す中で、この貸し切りバス事業の撤退は、本市・本県の観光行政に与える影響も大だと思われますが、今後どういう影響を及ぼすのか。また、対策等について考えておられれば御見解をお伺いします。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(川原勤君) 貸し切りバス事業の撤退における本市観光行政への影響についてでございますが、本市は、これまでも県内主要観光地等と連携しながら、観光客の誘致を促進するなど広域観光の推進に努めてきたところでございます。 貸し切りバス事業につきまして、おただしのような状況になれば、周辺観光地へ与える影響も生じると思いますので、関係市町や関係機関等と連携して情報収集に努めるなど、その動向を注視してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 貸し切りバス事業の撤退は、周辺観光地へ与える影響も生じるという認識だと受けとめました。本市・本県の観光行政の活性化のためにも、行政ができる範囲で今後の対策にも努力していただくことを要望いたしておきます。 新しい質問に入ります。 公園の整備と充実についてお伺いいたします。 公園は、市民の安らぎと憩いの場として、また、災害時の防災・避難場所としては不可欠な都市施設であります。特に街区公園は、地域の人たちにとっても欠かすことのできない場になっています。私の住む地域の街区公園も健康の維持のためのウオーキングをされる方、あるいは犬の散歩に来られる方々など多くの方々が公園を利用されています。また、桜の時期になると、多くの方々が桜を見にこられる自慢の公園として親しまれています。 そういう意味でいうと、最近は子供たちというよりも高齢者の方々の公園利用がふえているように思われます。より多くの方々に公園を利用していただきたいという立場から質問をさせていただきます。 質問の第一は、本市は、都市再生整備計画の一環として、都市公園リフレッシュ事業を行っていますが、その都市公園リフレッシュ事業の現状と課題、特に市民のニーズはどのようなものなのか。その市民のニーズにどのように対応されているのかお示しください。 次に、公園のバリアフリー化に伴う優先トイレの新設についてお伺いいたします。 先ほど、最近の公園の利用は、高齢者の方々が多くなっていると申し上げました。その一つは、地域の高齢者の方々が公園でグラウンドゴルフをされているのをお見受けするからです。私の住む近くの公園でも日々歓声が上がっていますし、公園の道具入れのところには、競技の結果やホールインワンをされた方の名前が掲示してあり、楽しまれているようです。そういう意味では、障害者及び高齢者対策としての公園のバリアフリー化も求められていると思います。 そこでお伺いいたします。 市内のトイレが設置してある公園数と設置箇所数、そのうち優先トイレが設置してある箇所数をお示しください。また、設置する場合の経費がどのくらいかかるのか。さらに、今年度の優先トイレの設置予定数はどれくらいかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 公園整備について順次お答えいたします。 地域の身近な公園に対するニーズといたしましては、現在、市民の方々からは、公園全体が見渡せる明るい公園、子供や孫と触れ合える安全で使いやすい公園などが求められております。整備に当たりましては、地域の方々の意向を踏まえ、公園の規模、形状及び周辺の環境に応じた植栽や遊具等の配置を行うとともに、バリアフリーにも配慮しながら進めているところでございます。 優先トイレについてでございますが、現在、三百三十一公園に四百三十二カ所のトイレを設置しておりますが、このうち九十カ所が優先トイレとなっております。 優先トイレの設置には、一カ所当たり約八百万円の費用が必要であり、今年度は新たに二カ所設置する予定でございます。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 都市公園リフレッシュ事業については、整備に当たっては地域の方々の意向を踏まえ、バリアフリーにも配慮しながら進めているということ。 優先トイレについては、現在、三百三十一公園に四百三十二カ所のトイレ設置のうち九十カ所が優先トイレになっている。優先トイレ設置は一カ所当たり八百万円かかるとのこと。今年度新たに二カ所設置するということでした。 優先トイレ設置費用がこんなにかかるとは驚きでした。単純に計算しますと、全部の公園に優先トイレを設置するには、百七十年かかることになります。もう少しトイレを簡素化するなどしながら、少しでもふやすことはできないのか。 さらに、これは公園緑化課だけの問題ではなく、福祉全体の問題、高齢者福祉課、障害者福祉課も含めて全庁的な課題ではないかと考えますが、御見解を伺います。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 優先トイレは、車いすの回転スペースを確保し、手すりなどを設置するため、一般トイレに比べ約二倍の広さと多機能な設備が必要となりますので、総体的に設置費用が高くなっております。 優先トイレの設置につきましては、身体障害者や高齢者の方々にも安心して公園を利用していただくという観点から、整備に当たっては、全市的な配置状況なども考慮しながら、施設の改修に合わせて計画的に進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 整備に当たっては、全市的な配置状況も考慮しながら計画的に進めていくというお考えだということです。ぜひ全庁的な課題として受けとめていただき、努力をしていただきますように要望いたしておきます。 次は、公園の抜本的改修等の具体的な考え方についてお伺いいたします。 先ほども申し上げましたが、私の住む町内会は日曜日の早朝に町内会の各区ごとに公園の清掃を行っています。桜が自慢の公園であると申し上げましたが、自分たちの公園という意識が大変強いです。だからこそ大事に使っていきたいという思いも強いものがあります。 これまでの公園整備の課題もお聞かせいただきましたが、これからは画一的な公園づくりでなく、地域のニーズに合った公園づくり、地域性あふれた公園づくりが必要なのではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 公園整備の考え方についてでございますが、公園は、市民に潤いと安らぎを提供し、レクリエーション活動の場としてや災害時の避難場所となる公共空間であり、幅広い年齢層が快適に安心して暮らせるための重要な役割を果たしております。 また、地域の方々にとりましても、最も身近なコミュニティーの場となる公共空間でもありますので、整備に際しましては、地域の方々の意向をお伺いしながら、それぞれの公園の種類、規模及び周辺環境に応じた公園づくりを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 地域の方々の意見を聞いて公園づくりを進めていかれるということです。市民がみずからつくる公園づくり、花壇づくりなど地域性あふれる公園づくりができますように、市民とともに取り組まれていかれることを要望いたします。 次に、特別支援教育指導員制度についてお伺いいたします。 国においては、障害を持つ子供たちを地域で育てることを基本理念に、先週、通常学校に特別支援学級を設置することや、特殊学級から特別支援学級への名称の変更等を内容とする学校教育法一部改正法案など特別支援教育関連法案が可決成立しました。このように今、障害を持つ子供たちの教育をめぐる状況は大きな転換期を迎えています。 このような流れを先取りする形で、本市では、平成十五年度から特別支援教育指導員制度を導入し、今日に至っています。この制度は、地域内の小中学校においてさまざまな障害を抱える障害児学級に担任を補助する指導員を配置して、一層充実した教育を行うために導入されたもので、非常に好評のようです。 そこでお伺いします。 質問の第一は、制度導入後、どのような推移になっているのか。予算と配置校数についてお伺いします。 質問の第二は、現状に対して、教育委員会としてどのような認識を持っていらっしゃるのか、見解を伺います。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 特別支援教育指導員制度の予算につきましては、平成十五年度と十六年度が七百六十三万八千円、十七年度と十八年度がそれぞれ二千二百九十一万四千円でございます。 配置校数につきましては、十五年度が十一校の希望の中から五校、十六年度が十三校の希望の中から五校、十七年度が二十八校の希望の中から十五校、十八年度が三十五校の希望の中から十五校となっております。 次に、近年、特殊学級在籍児童生徒の障害が重度・重複化するなど、学級担任一人では指導が難しくなっていることから、指導員配置を希望する学校が年々ふえてきております。教育委員会としましては、このような状況を踏まえ、今後、各学校において、より一層きめ細かな対応ができるような体制づくりを検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 この制度ができてから四年目になりましたが、初年度からすると制度を希望する学校が三・五倍にふえ、十八年度は二十校もの学校が配置できなかったことが明らかになりました。教育長もその背景について、障害の重度・重複化を挙げられ、より一層細かな体制づくりが必要という認識を示されました。このような実態を放置しておくわけにはいかないわけですから、何としても枠の拡大が急務と言えます。 そこで伺います。 質問の第三、現状からすると、希望しても配置できない状況では、今後は配置できる枠をさらに充実していくべきと考えるが、見解をお伺いいたします。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 指導員を配置している学校においては、個別にきめ細かな指導をすることが可能となり、児童生徒に落ちつきが見られるとともに、以前より学習に集中するようになるなど、確かな変容が見られております。指導員配置枠の拡大につきましては、障害のある児童生徒数の増加、障害の重度・重複化や多様化などの実態を踏まえ、さらに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 指導員配置枠の拡大については、実態を踏まえ、さらに検討するという大変前向きな答弁をいただきました。できるだけ早急に実施していただきますように重ねてお願いを申し上げます。 次に、児童生徒の体育・文化振興について伺います。 ドイツでワールドカップサッカー大会が開催され、日本中、いや世界中がサッカー一色の感がいたします。また、本市の出身である遠藤選手もドイツの競技場でピッチに立つ姿が非常に頼もしく、また誇りに感じるのは私だけでしょうか。次代を担う子供たちが郷土を代表し、また、学校を代表し、他県の、いや外国の選手と真剣勝負を行う姿は、非常に感銘を受けるものです。しかしながら、そこに至るまでには、児童生徒を育て、はぐくんでいくために非常に大きな努力と献身的なサポートがあるのも事実です。 そのような献身的サポートや努力に対して行政がどのように支援しているのか、また、支援していくかは、その次代を担う子供たちに対する基本的な姿勢が問われていると思います。 そこで、森市長並びに石踊教育長を初め、本市行政の責任者、リーダーがどのような認識を持ち、どのような施策をされようとしているのかお伺いするものです。 まず、市長並びに教育長に対し、本市の児童生徒の体育・文化の面における活躍の現状についてどのような感想、または現状認識を持っていらっしゃるのかお伺いいたします。 以上、答弁を求めます。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 私は、学校教育における体育・文化活動を通して、多くの児童生徒が九州大会や全国大会で毎年活躍していることを大変うれしく思っているところでございます。このことは、多くの市民に大きな夢と感動、そして何よりも活力を与えてくれるとともに、「人とまち 個性が輝く 元気都市・かごしま」の創造につながっていくものと考えております。 また、本市の学校を卒業して世界の舞台で活躍をしているサッカーの遠藤保仁選手や国際的指揮者の下野竜也氏などは、私たち市民にとりまして大きな誇りであります。 今後とも、次代を担う子供たちが、体育・文化活動に積極的に取り組み、さらにたくましく育っていくことを期待しているところでございます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 本市では、多くの児童生徒が日ごろから体育や文化活動に積極的に参加しており、玉江小のリトルチェリーズのように外国公演に招かれるなど幅広い活動をしているグループもあります。 中学校では、七七%の生徒が部活動に参加し、日々練習に励みながら、みずからの個性や能力を伸ばしたり、教師や仲間との心の触れ合いを通して好ましい人間関係を築くとともに、昨年度は、陸上競技や吹奏楽などが全国大会で活躍したところでございます。 また、先ごろ行われた高校総体の県予選におきましては、玉龍高校のラグビー部と男子バレー部、商業高校の相撲と剣道部、女子高のソフトテニスとバドミントン部などが、日ごろの厳しい練習の成果を十分に発揮し、県代表として九州大会や全国大会への出場権を獲得するなどすばらしい成績をおさめております。 このような児童生徒の活躍は、周りの人々に明るい話題を提供し、学校や地域の活性化につながっていくものと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 市長は、児童生徒のスポーツ・文化の活躍の状況について、多くの市民に大きな夢と感動を、そして何より活力を与えていると評価され、今後も体育・文化活動に積極的に取り組むことを期待しているとのこと。また、教育長は、部活動に参加することによって、みずからの個性や能力を伸ばしたり、好ましい人間関係を築いていくことや、活躍する姿が周りの人々に明るい話題を提供し、地域の活性化にもつながっていくという認識を示されました。私も全く同感でございます。 それでは、そのような活動をどのような資金で支えているかであります。 それぞれの中学校では、体育文化後援会費として保護者からお金を集めたり、PTAのバザー等の益金を体育・文化の振興に充当している実態があるようですが、本市の中学校における体育文化後援会費を徴収している学校数、並びに平均徴収額、また、総額について明らかにされたいのであります。 また、本市として、この五年間の県外遠征に対して補助した競技・大会数、並びに総額について明らかにされたいのであります。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 体育文化後援会費につきまして、平成十七年度の実績で申し上げますと、三十八校すべての中学校で年間一人当たり平均三千四百三十一円徴収しており、総額は五千七百六十五万八百五十四円でございます。 次に、中学校における県外遠征に対する補助につきまして、過去五年間の実績を申し上げますと、十三年度は二十の競技や大会に四百八十一万九千百円、十四年度は十六の競技や大会に五百七十四万四千三百円、十五年度は二十一の競技や大会に七百六十一万三千五百円、十六年度は二十の競技や大会に四百九十九万九千六十円、十七年度は旧五町分を含めて、二十六の競技や大会に六百九十八万五千三百円となっております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 本市のすべての小学校において体育文化後援会費を保護者から徴収し、生徒一人当たり年額平均三千四百三十一円、また、市全体では、年間約五千八百万もの保護者負担によって、生徒の体育・文化活動の資金になっており、行政としては年間約七百万円とのこと。行政の補助は、保護者負担の約八分の一しかないことも明らかになりました。 小学校におけるスポーツ少年団や高等学校の生徒の活動に対する保護者の負担まで含めると、保護者負担は膨大になることは明らかです。すべての活動に対して行政が負担することはできないにしても、可能な限り最大限の支援を行政がしていくことは、次の世代を担う多くの児童生徒を育てるためには必要であることは言うまでもありません。 次に、今後の対応についてであります。 昨年、市内のある中学校で、教育課程に基づき一年間練習したある器楽のクラブがありました。県大会で最優秀賞に輝き、全国大会へ出場することになりましたが、本市の補助規定からすると、当該クラブの過去の実績と教育委員会の予算がないという理由で、補助対象になりませんでした。担当の先生は学校長に相談し、生徒の旅費の補助を体育文化後援会費から充当できないか相談されたそうです。しかしながら、その学校では、全国大会へ出場する他の部活動があるために予算がないとのこと。学校長も非常に困り、紆余曲折はあったものの、最終的には全額保護者負担。引率された先生も旅費から宿泊費まですべて自己負担にせざるを得なかったとのこと。 この事例の教訓は、児童生徒がいろいろな分野で、指導者のもと、厳しい練習を積み重ねてよい成績を残し、全国へ羽ばたくとき、学校独自の力では限界があるということです。たくさんよい成績を残しても、体育文化後援会費では限界があるということです。そこには、行政の支援がどうしても必要になっていくのです。 すべての大会に助成することはできないとしても、本市が置かれた南九州という地理的な条件を考えても、保護者負担に対して、今以上の支援策を講じるべきと考えます。見解をお伺いいたします。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 本市の児童生徒が県代表として九州や全国の大会に出場する機会がふえることは、本市の教育活動の活性化にもつながり、大変喜ばしいことでありますが、これらのすべての競技や大会に助成することは難しい状況にあり、九州や全国の大会に出場する際の補助のあり方等につきましては、今後、各面から研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 今後、九州大会や全国大会に出場する際の補助のあり方については、今後、各面から研究していくとのこと。私は、鹿児島市の子供たちが県外で活躍する姿が、市民の皆様に大きな感動と夢を与えている現状からしたとき、行政が今以上に援助していくことは、市民の理解は十分得られることと思います。市長におかれては、少しでも予算を配分し、次代を担う子供たちを支援していかれることを切望しておきます。 新しい質問に入ります。 二〇〇四年三月、華々しく開業した九州新幹線は、大きな経済効果と未来への夢を与えてくれました。しかし、この華々しさの一方には、新幹線による騒音・振動で悩まされている方々も多くいらっしゃいます。 私はこれまで、騒音・振動に悩まされている地域住民の一人として、また、この問題で悩まれている多くの住民の方々の代弁者として、この本会議で騒音・振動問題の解決に向けて訴えてきました。 新幹線開業後の地元説明会では、「朝六時に起こされて、夜の十二時まで続く」「熟睡できない」「ゴォーッという音で下から突き上げられるようだ」「開業後は騒音・振動は小さくなりますということだったが、ますますひどくなっている」など、皆さんの思いは、とにかく静かな武岡を返してほしいというものでした。 この地域住民の怒りとも言える訴えの中で、鉄道・運輸機構は、騒音軽減のための軌道改良工事を行い、同時に工事期間中は新幹線を減速させる、さらに工事終了後、騒音・振動の測定を行うということでした。 そこでお伺いいたします。 新聞報道によりますと、六月十二日、鉄道・運輸機構は、騒音抑制用の軌道パッド設置後に行った騒音・振動測定結果を発表したとのことですが、これまで行われてきた技術開発試験の内容と技術開発試験後の騒音・振動の現状と効果をお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 鉄道・運輸機構は、平成十六年十月一日から十八年三月三十一日の間に薩摩田上トンネル内で、今後の新幹線の環境対策に役立てるため技術開発試験を実施してきたところであり、その内容は、トンネル上の騒音・振動の低減を図るため、レールとまくら木の間の軌道パッドを従来のものより柔らかいものへ交換し、走行試験を行ったものでございます。 また、同試験に伴い、新幹線は、トンネル内での工事等の安全確保のため、平成十六年十月一日から時速百二十キロメートルの徐行運転をしており、現在もそれを継続しているところでございます。 鉄道・運輸機構によりますと、トンネル内での技術開発試験で軌道パッドを従来より柔らかいものへ交換した後に、トンネル上部の武岡団地で測定した騒音・振動値は、新幹線開業直後の測定値と比べ、全般的に見て低減していることを確認できたとのことでございます。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 技術試験の内容は、レールとまくら木の間に従来より柔らかい軌道パッドに交換をし、走行試験を行ったとのこと。この交換により、騒音・振動値は、新幹線開業直後の測定値と比べて、全般的に見て低減しているとの鉄道・運輸機構の見解であるということのようです。 次に、これも新聞報道で知りましたが、今後は軌道パッドの性能確認試験を三年程度行うということですが、この三年程度というのはどういう根拠で行うのかお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 鉄道・運輸機構によりますと、今後、列車走行に伴う軌道パッドの経年変化を確認する必要があることから、十八年度から三カ年程度の期間で性能確認試験を実施するとのことでございます。 以上でございます。   [大森 忍議員 登壇] ◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 どうも三年程度という根拠ははっきりしない模様です。鉄道・運輸機構は、軌道パッドの交換により、騒音・振動が開業直後より全般的に見て低減していると考えられている模様ですが、もちろんこの工事自体、大変ありがたいものですが、地域の皆様は、「やっぱり新幹線の減速が影響しているのではないか」という声が大です。新幹線はスピードが命ということもあるでしょうが、現在の状況は、約一分ダイヤを落とすことによって百二十キロの減速になっています。乗客にとっても一分という時間は、どうしても我慢できない時間だとは思いません。しかし、騒音・振動に悩まされている方々は、この一分の違いが決定的な違いになっています。 三年後、新幹線の全線開通前に速度を戻すのではなく、ぜひ最低、今のダイヤを維持していただくように本市からも強く要望していただくことをお願いしまして、私のすべての質疑を終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、大森 忍議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、柿元一雄議員。   [柿元一雄議員 登壇](拍手) ◆(柿元一雄議員) 平成十八年第二回市議会定例会におきまして、自民党新政会の一員として個人質疑を行います。重複する部分や一部割愛する部分があることを御了承願います。 平成十二年度に制定された児童虐待の防止等に関する法律は平成十六年十月から一部改正が施行され、また、児童福祉法の一部改正により、平成十七年四月からは市町村が一義的な相談窓口として位置づけられました。それにつきましては、虐待相談の急増に伴い児童相談の内容が質・量ともに大きく変化しているということであります。すべての児童相談に児童相談所のみで受けとめる体制に限界が見え始めてきたというか、発見・通告後の対応責任を児童相談所に一極集中させていることが法改正前の大きな問題点であったようであります。 そこで伺います。 まず、平成十七年四月から市町村が第一義的な相談窓口として位置づけられましたが、第一義的とはどのように解釈され、どのように取り組まれているか。 本市のこども福祉課における児童に関する相談件数、平成十六年度、十七年度は幾らか。 児童虐待相談件数のうち平成十七年度の児童虐待の通告件数、そのうち訪問して調査した件数をお示しください。一件の訪問平均回数は幾らか。また、訪問した担当者の内訳として職員分と家庭相談員、そしてほかに依頼し対応した分をそれぞれお示しください。 訪問対象となった事例について引き続き指導等が必要となった場合、最大訪問回数と平均回数をお示しください。 また、市で虐待と認定した件数は幾らか。 さらに、認定した件数についてどのような処遇決定をしたのか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 児童福祉法の改正に伴い、平成十七年四月から市町村が一義的な児童相談の窓口として相談、通告の受け付け、緊急受理会議、調査等の役割を担うこととなっております。本市におきましても、相談窓口として法の趣旨に沿った取り組みをいたしているところでございます。 本市の児童相談件数は、平成十六年度四百九十九件、十七年度七百九十三件となっております。 十七年度の相談件数のうち、児童虐待の件数は二百八十件でございます。そのうち一件の平均訪問回数は約一・六回、また、担当者の内訳は職員六十五回、家庭児童相談員十七回、他の関係機関への依頼は三百六十八回となっております。 引き続き指導等が必要なケースのうち、最大訪問回数は十九回、平均回数は約三・七回となっており、虐待と認定した件数は二百四十五件でございます。 処遇決定につきましては、相談のあった世帯の児童の安全確認と安全確保を最優先としております。また、専門的な判断が求められるものにつきましては、県児童総合相談センターの助言・指導を受けながら対応しております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 相談件数二百八十件すべてを訪問されているようでありますが、そのうち職員と家庭児童相談員の訪問回数が合わせて八十二回、児童委員や保健師等に訪問を依頼されている他の関係機関への依頼は三百六十八回、余りにも突出した数字となっております。虐待されているのではないかという電話通告でもあった場合、まずもっての調査が必要であります。児童委員や保健所の保健師に調査を依頼した伝え聞きの間接的調査は、その報告が口頭であれ文章であれ、あくまで補助的なものであります。やはりその現場をしっかりと把握するためには、市担当職員が自分の目で見、自分の耳で聞く直接調査で、その家庭の雰囲気を察することが大切ではなかろうかと思うのでありますので、当局の積極的対応を要望いたします。 次の質問に移ります。 家庭訪問し、親と面接するには、その親が仕事から帰宅した夜になることは当然でしょうし、また土曜・日曜の訪問も余儀なくされます。夜の訪問では晩酌中であったりしたら、酔った勢いで親のしつけだとの言い分で通されてしまい、そこには罵声を浴びせられたり、身の危険を感ずることもあるのではないでしょうか。虐待問題における現場は緊張も強いられ、危険性も感じられ、それゆえに人が必要であります。また、通告があってなるべく早い対応が必要です。ケースワーカーの速やかな対応が子供を救うのであります。 そこで伺います。 家庭訪問調査について、平成十七年度土曜・日曜等の閉庁時や夜間における児童虐待通報においての対応について、通報の受け付け体制はどのようになっているか。 通告件数は何件であるか。 職員はどのように対応したか。 速やかな対応が求められているが、速やかな調査は実施されているか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 閉庁時の通告受け付け体制としまして、管財課庁務係からこども福祉課長に連絡し対応することとしております。なお、十七年度の通告はございませんでした。 次に、対応としましては、閉庁時を含め、相談に基づきその世帯に関する情報を収集し、受理会議を開いた後、直ちに関係機関と連携して家庭訪問等を実施することとしております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 管財課の庁務係からこども福祉課長に連絡し対応されるという体制。平成十七年度は通告はなかったとのことでありますが、通告がなかったと安心することではありません。福祉関係者には法改正の説明・指導はされているようですが、一般市民は鹿児島市が虐待相談を一義的に取り扱うという認識はないのではないかとも思うのであります。 そこで引き続き伺います。 受理会議の構成メンバーは、福祉・保育・保健担当などあらかじめ決めておくこととなっておりますが、構成メンバーはどのようになっているか。 平成十七年度は何回実施したか。 児童相談所への送致は何件なされたか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 受理会議の構成メンバーは、こども福祉課長、家庭福祉係長、担当職員、家庭児童相談員となっております。十七年度は二百八十回行い、そのうち七十七件につきまして県児童総合相談センターへ送致いたしております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 受理会議の二百八十回は通告件数と同じ、うち七十七件が児童相談所へ送致とのこと。児童相談所送致ということはそれだけ指導困難ケースがあったということか、もしくは児童相談所に任せるという体制になっているのではなかろうか懸念するところでありますが、誠意ある対応を要望いたします。 次の質問に移ります。 本市は平成十三年度に児童虐待防止協議会を設置され、十四年度からは四保健センターごとに地域連絡会を設置されております。今年度は職員を一名増員され、熱心に取り組まれていることには敬意を表しますが、懸念される体制について、以下伺います。 通告・訪問件数の数から見て、今の体制で適切な対応は困難ではないか。他機関との情報交換にとどまってしまい、行動を通しての継続的な支援まで行っていないのではなかろうかとも思えるのであります。現在の体制はどのようになっているかお示しください。 虐待のみならず、児童家庭相談への対応はかなりの専門性を要求されますが、生活保護担当者や保育担当者、母子保健の担当者、他関係者が行動を連携するための体制づくりをする必要があろうかと思うのです。なお、最も育児ストレスを受けやすい乳幼児を抱える保護者を支援している保健師等を、コーディネーターとしてこども福祉課に配置する必要があると思いますが、本市の今後の体制についてどのような見解をお持ちかお示しください。 また、平成十八年四月から中核市も児童相談所を設置できることとなりました。この件につきまして多くの同僚議員の質問に当局は、本市としましても今後情報収集に努めるとともに県とも協議する、中核市の取り組み状況も調査して検討してまいりたいと述べられております。平成十八年度になりまして児童相談所を設置した中核市はどこであるか。また、設置について本市の今後の取り組みはどのように考えているか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 本市の児童相談体制ですが、十八年度は担当職員二名と家庭児童相談員三名で対応いたしております。継続的な支援が必要な場合は、県児童総合相談センターや保健所、保健センター、学校、保育園等の関係機関と連携をとりながら定期的にケース検討会議を開催し、支援内容の検討を行い継続的な支援を行っております。 児童に係る相談は今後も増加が予想され、内容も複雑・多様化するものと思われます。今後の体制につきましては、関係機関との連携を密にしながら担当職員の研修等も含めあらゆる相談に対応できるよう、各面から研究してまいりたいと考えております。 次に、中核市で国の指定を受け児童相談所を設置している市は、横須賀市と金沢市でございます。児童相談所の設置につきましては、現在、本市域内に県の児童総合相談センターが設置されていることから、本市独自の児童相談所につきましては、その必要性も含め調査研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 児童問題多発のこの世の中、児童相談体制の確立が急務ではなかろうかと思うところでございます。保健師をコーディネーターとしての採用については関係機関と連携するとのことでありましたが、保健師もしくは立入調査権を持った児童福祉司も必要ではないかと思うのであります。児童相談所設置につきましては、国の動向を見たり、また療育の問題や養護問題等多くの問題があろうかと思いますし、一時保護の設置等もなかなか難しい問題であろうと思います。二十年、三十年後のすばらしい鹿児島をつくるためにも、子供たちが安心して幸せに暮らせるまちづくりが必要であります。中核市として児童相談所の設置に向けて努力されるよう要望いたしまして、この質問を終わります。 新たな質問に入ります。 平成元年より始まった在宅介護支援センター、高齢者の代行申請業務として介護手当、福祉用具、紙おむつ等の助成事業、訪問給食、在宅介護支援システムや住宅改造、リフォーム事業等をやり、また高齢者福祉課から委託された各種調査業務等もやってきております。平成十八年度は地域型が三十五カ所、基幹型が二カ所として運営され、地域にしっかりと密着した事業に発展しております。第一回定例市議会でも取り上げられましたが、ことし平成十八年四月の法改正により在宅介護支援センターの業務のすべてを廃止、新たに鹿児島市は平成十九年二月から地域包括支援センターを設置、そこで業務として行うとなったとのことで、民生委員初め福祉関係者から懸念の声が上がっております。 そこで以下伺います。 事業計画に変更があったその背景について、また、鹿児島市はこの法改正をどのように解釈されたのかをお示しください。 今まで在宅介護支援センターは、地域型で三十五カ所であったのが地域包括支援センターになると十五カ所、第四次総合計画の地域、地区を参考に十五の生活圏域に設置するとのことでありました。そうなりますと、担当圏域は二、三倍程度の広範囲になります。地域に密着した事業であったのが代行申請業務等手薄になります。それ自体が福祉サービスの低下につながりかねないか、見解をお示しください。 鹿児島市の高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画策定管理委員会で事業計画を策定されると思いますが、その委員会はどのようなメンバーで構成されているか。 在宅介護支援について、当局は将来どのような展望を持っておられるか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 在宅介護支援センターなどの事業計画変更の背景でございますが、国におきましては、高齢化の進展と要介護者等の急増に対応するため介護予防対策を強力に推進することとされ、その拠点施設として地域包括支援センターの創設を今回の制度改正に盛り込まれたところでございます。その機能といたしましては、在宅介護支援センターの機能に加え、介護予防プランの作成、地域のケアマネージャーの支援、虐待対策など総合的な機能を持ち、また、職員体制についても充実することとなっております。 そのようなことから、本市といたしましても従来の在宅介護支援センターを発展的に解消し、さらに充実した機能を持つ地域包括支援センターを設置することが市民サービスの向上につながるものと判断し、計画に盛り込んだところでございます。在宅介護支援センターに比較し、地域包括支援センターの担当地域が広がることになりますが、地域包括支援センターの職員体制やサービスの内容を充実することで、市民サービスをさらに充実させたいと考えております。 高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画策定・管理委員会のメンバーでございますが、学識経験者、保健医療関係、福祉関係、その他各種団体代表、公募による市民が委員となっております。 在宅介護支援の展望でございますが、これからの高齢化の進展や独居もしくは高齢者のみの世帯の増加を考慮いたしますと、介護保険の在宅サービスや地域支援事業、医療保険における在宅診療、地域でのインフォーマルサービスなどが総合的に提供されることで、介護が必要な状態になっても可能な限り地域で支えていくことになるものと考えております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 在宅介護支援の展望については、インフォーマルサービスなどが総合的に提供されることで、地域で支えていくことになることが予想されるようであります。サービスの低下にならないよう推進されますことを要望いたします。 次の質問に移ります。 第一回市議会定例会では地域包括支援センターを十五カ所に決定され、担当圏域ごとの人口、面積、高齢化率等に応じて各地域包括支援センターごとに一定の運営費の加算を行うことも示され、今までの在宅介護支援センターでは職員は原則一名であったものが、地域包括支援センターでは三名の選任とすることも示されております。 そこで引き続き伺います。 人口で見ますと、平成十七年九月末現在、高齢者の人口、吉田地区は二千四百九十七人、郡山地区二千二百四十七人であります。谷山北部地区は九千八百十二人、谷山地区は一万二千四百二十人。わかりやすく郡山地区と谷山地区を比較しますと、谷山地区は郡山地区のおよそ六倍の高齢者人口であります。それなりの人員を配置されるおつもりか。 また、面積で見ますと、担当圏域は二、三倍の広さ。今までの在宅介護支援センターでは実態調査を月に四、五十件こなしていたところもあったと聞きます。今後、実態把握調査が希薄になるのではないか懸念いたしますが、見解をお示しください。 今までの在宅介護支援センターは廃止となりますが、そこで働いていた職員はどのような扱いになるのか。地域型包括支援センターへはどのような形でなら採用になるのか、その採用基準をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 地域包括支援センターの職員体制でございますが、おただしのとおり、地域包括支援センターごとの高齢者数に基づく業務量に差があると思われますので、このことを踏まえて必要な職員数についても検討したいと考えております。 実態調査につきましては、在宅介護支援センターから地域包括支援センターに引き継がれますが、先ほど申し上げましたとおり、この業務を地域包括支援センターで行うことを前提に職員体制を検討したいと考えておりますので、従来どおりの対応が可能と考えております。 次に、在宅介護支援センターに勤務する職員の取り扱いでございますが、今後、地域包括支援センターの内容を具体的に詰めていく中で、慎重に検討していかなければならない課題と認識しております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 実態調査については、地域包括支援センターに引き継ぐに当たって職員体制を検討し、従来どおりの対応が可能とのこと。今後の対応を見守りたいと思います。 次の質問に移ります。 平成十九年二月から地域包括支援センターの設置となるとのことでありますが、引き続き伺います。 地域包括支援センター事務所はどこにどのような形で設置されるのか。各地区のセンター事務所はどこに設置されるのか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 地域包括支援センターの事務所、各地区の事務所の設置場所等につきましては、今後具体的に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 来年二月からの制度変更、事務所のことについても職員の配置の件についても今後の検討ということでありますが、慎重な対応を要望しておきます。 次の質問に移ります。 今までの地域型支援センターが地域の各種相談業務を始めて十年以上経過し、市の委託業務として各中学校校区に一カ所ずつ整備されました。この新事業もうまく機能するまでかなりの年数がかかると思います。制度が変わって包括支援センターをつくることで、どれだけの効果を期待されるのか。財政面、福祉サービス面でお示しください。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 地域包括支援センターを創設する効果でございますが、まず福祉サービスの面では、リハビリを中心にした新たな予防サービスや従来から保健所や福祉事務所などから提供されていた介護予防サービス、地域のインフォーマルサービスが体系的に提供されることで介護予防が進み、質の高い生活を過ごされる高齢者の増加や、要介護・要支援認定者の増加の抑制につながることが期待されております。また、財政面でも全体的な給付の増加が抑制され、制度の安定化につながるものと期待しているところでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 財政面では給付の増加が抑制されるとのこと。また福祉サービスも期待されており、今後を見守りたいと思います。 新たな質問に入ります。 地域活性化については、校区単位、町内会単位で多くの地域がいろいろな方策によって取り組まれております。これまでの議会でも多くの先輩・同僚議員が取り上げられ、市当局としてもさまざまな取り組みをされておりますが、私は自治会、町内会制度について、以下伺います。 六月十二日付の読売新聞によると、五月十三・十四日両日に実施した全国世論調査で、社会の人づき合いや人間関係が希薄になっていると思う人は、二〇〇〇年七月の前回調査よりも七ポイントふえ八〇%に達したということであります。地域のきずなが希薄になる、希薄になったからといって何ら不便も感じない。そういうことから最近では町内会への加入も減少していると言われ、住民のきずながさらに希薄になっていくようにも思えます。 町内会が取り組んでいる活動は、非常に多彩であります。ごみステーションの管理、地域の清掃、防犯灯の維持管理、募金活動、防犯活動、敬老会等、各種のレクリエーション等がございます。このようにさまざまな活動を展開しておりますが、これらの活動はすべて役員の負担によって成り立っているのであります。 町内会役員は、地域の町内会離れによる会員数の減少やいろいろな行政の補助的役割を負いながら運営に苦慮しつつ、地域に果たす役割ははかり知れないものがあります。ことしの三月・四月も町内会の役員のなり手がいない、町内会長のなり手がいないと、選考委員の人たちが毎晩毎晩目ぼしい人の家を回り「また断られた」「怒られてしまった」と嘆く声をよく耳にいたしました。町内会長の苦労等も勘案しながら、以下伺います。 町内会加入者の減少をどのように考えておられるか。 町内会長や役員のなり手がいないことについて、なぜなり手がいないのか。その見解と、その対応策はないのか。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) お答えいたします。 町内会への加入世帯数はおおむね横ばいで推移してきておりますが、総世帯数の伸びが著しいことから加入率は減少傾向にございます。このことはライフスタイルや価値観の多様化などに伴い、単身世帯を中心とした未加入等によるものと思われます。町内会は地域の核となるコミュニティー組織であり、各地域の活性化を促進するためにも全世帯の参加が望ましいことから、市民のひろばやポスターなどさまざまな機会をとらえて加入促進に努めているところでございます。 次に、町内会役員の選出に際しましては、会員の高齢化や共働き世帯の増加などにより、地域によっては大変苦慮しておられるようでございます。市では町内会活動の手引書を作成し情報提供を行うとともに、役員のなり手不足といった状況を少しでも改善するため、コミュニティー活動に興味のある方々や役員を対象にした「おーい班長さん集まれ講座」を開催するなど、地域コミュニティーリーダー等の人材育成を図っているところでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 町内会加入ポスターの作成・掲示、市民のひろばへの加入促進の掲載・配布程度では、町内会未加入世帯の増加を食いとめることには疑問を感じます。私の調査では本市の加入率は六三・六%、中核市平均八一・〇%と比較して本市は大変低い水準であります。新潟市や浜松市などでは、自治会や自治会連合会が積極的に加入促進に向けた働きかけを行っているようですが、ぜひ本市もそうした加入率の高い他都市を十分に調査され、そのノウハウを本市の加入率アップに生かしていただきますよう強く要望いたします。 次の質問に移ります。 昨年の四月、私の住む地域の一つの町内会が解散いたしました。この町内会は伝統もあり、今までいろいろな活動を行い、地域でも模範的な町内会でありました。少子高齢化の波をまともに受けたと言っても過言ではありません。少子化のためにあいご会が成立しない、高齢化のために役員のなり手がいない。役員のなり手がいなくなれば地域のコミュニティー活動は衰退し、活動もなくなり、組織が成立しなくなり解散となります。 そこで伺います。 町内会が解散した場合、ごみステーションの維持管理、設置等はどのようになるのか。 防犯灯の管理はどうすればよいのか。電球等の取りかえの負担はだれがするべきか。 町内会では共同募金や日赤の募金も行っていますが、組織がなくなることによって町内会任せであった募金活動はしないでいいのか。 町内会が解散した場合、回覧板を通した案内等ができなくなるが、それでよいのか。また、さまざまな会からの案内や回覧文書も配布されないことになるが、どうか。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 防犯灯につきましては地域の防犯のために必要なものでございますので、仮に町内会が解散した場合には、新たな管理団体を組織していただく方法や近隣の町内会へ譲与していただく方法などをお願いしているところでございます。 次に、回覧についてでございますが、本市では市民のひろばを全世帯に配布するとともに、ホームページ等を活用し各種情報を提供しております。また、集団検診など特定の地域に関する情報につきましては、町内会を通じ、回覧等により地域住民に再度情報提供をしているものもございます。仮に町内会が解散した場合、何らかの周知方法を検討する必要があろうかと考えております。 以上でございます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 ごみステーションにつきましては、利用される地域の皆さんに維持管理や設置等をお願いしております。ごみステーションの維持管理を行うためには地域での連携が重要となることから、町内会で維持管理等を行っている地域もございます。それ以外につきましては、ごみステーションを利用する地域の方々で話し合って維持管理等を行っていただいております。町内会が解散した場合もそのような対応になるものと考えております。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 募金に関しまして、お答えいたします。 実施主体であります共同募金会や日赤にお聞きしましたところ、募金につきましては戸別募金や街頭募金等を行っており、町内会に対しましては戸別募金の協力依頼を行っているとのことでございます。募金活動における町内会の役割は大きく、町内会が解散した場合は、募金活動に支障が出てくるものと考えられるとのことでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 ごみステーションの設置・管理につきましては、町内会とは別問題であることは理解いたしましたが、多くの場合、実質町内会が深くかかわっております。町内会加入促進チラシには町内会の主な活動として、ごみステーションの管理が記載されております。当然市民もごみステーションは町内会の管理下にあるものと思っており、町内会の役割と思っている人も多くあろうと思います。 防犯灯の管理等新たな管理団体を組織していただくということでありますが、解散するような町内会にそのような団体をだれがどのようにつくればいいのか、理解に苦しみます。 日赤募金を初め各種募金、衛生費、これらも町内会加入世帯からの会費で賄われているのが現状であります。町内会未加入世帯がふえることは、募金活動においてはゆゆしき問題であります。言うなれば、未加入世帯は募金しなくていいということであります。 ごみステーションの維持管理、防犯灯の管理、衛生費、各種募金についてはすべて町内会加入世帯任せであり、加入世帯が負担をし成り立っております。今後さらに町内会未加入世帯が増加した場合のことを考えますと、大変危惧いたします。 回覧板の案内が配布されないことについては、何らかの周知方法を検討したいということでありますが、早急な周知方法の検討を要望いたします。 次の質問に移ります。 町内会が解散した場合、市民として不利益をこうむることがわかりました。多くの市民が戸惑うことがないよう本市の関与が必要であると思われます。 そこで伺います。 解散する町内会の存続の働きかけはしたのか。また、したのであればその内容をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 町内会が解散する要因といたしましては、構成世帯数の急激な減少により運営や活動が困難になったことなどがあるようでございます。解散は会員の総意により決定されることとなりますが、お話があった場合、近隣町内会への加入などを含め助言や相談に応じているところでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 解散する団体はそれ以前には混乱があり、結果的に解散し、解散届を提出するわけであります。市当局はかねてより情報収集等を行い、市としても存続について積極的に指導・助言をしていただくよう要望いたします。 次の質問に移ります。 ところで、町内会活性化のために本市としてさまざまな事業が実施されておりますが、それらの活用によっては活動が大きく膨れていく町内会等もあるやに聞いております。 そこで伺います。 いきいき地域社会づくり事業、平成十三年度から実施してきましたが、利用している団体・町内会は何団体中、何団体か。また、利用されない団体のその理由は何か。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) いきいき地域社会づくり事業の利用実績でございますが、平成十三年度、六百四十五団体中百九、十四年度、六百四十七団体中百十八、十五年度、六百四十三団体中百四十一、十六年度、六百四十六団体中百四十二、十七年度、八百三十一団体中二百四十一となっております。 また、利用されなかった理由といたしましては、既に限度回数いっぱいまでの利用が終了していたこと、また、高齢化や会員の減少などに伴い、祭り等の行事が困難になったことなどの事情があるようでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 この事業を利用されている団体が予想以上に少ないと感じましたが、会員の減少や高齢化で行事困難など地域の事情があるとのことでございました。町内会活性化のために新事業も策定されておりますので伺います。 平成十八年度からは、みんなで参加わがまちづくり支援事業として継続されます。活動の活発な団体、そうでない団体があるようですが、前回の事業に対する改善点は何か。活発な町内会や組織の大きな町内会への補助金の増額は検討できないのか。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) みんなで参加わがまちづくり支援事業は、これまでのいきいき地域社会づくり事業を町内会等がより利用しやすい制度に見直し、新たに開始したものでございます。具体的には、これまでのふるさとづくり活動とまちづくり文化・学習活動の事業区分を撤廃し、両方を組み合わせて申請できるようにしたこと、さらに、過去の補助制度利用団体も新たに申請できるようにしたことでございます。 次に、町内会は、基本的に会員の皆様が負担する会費で運営されるものであると考えております。各地域では歴史と地域性、規模や財源などそれぞれに応じた特色ある活動が行われていること、また、これまでのふるさとづくり運動推進事業、いきいき地域社会づくり事業の利用実績等を総合的に勘案し、現在の制度としたものでございます。このようなことから、現状でまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 新しい事業は過去の補助金制度を利用した団体も新たに申請できるように改善され、高く評価したいと思いますし、各町内会もうれしく受け入れられるものと思います。我が校区はおよそ百世帯の町内会もあれば、およそ一千世帯の町内会もあります。補助金の限度額におきましては、小さい団体、大きい団体、活発な団体、そうでない団体が同額であるのはいかがなものか。再考をお願いし、検討を要望いたします。 次の質問に移ります。 いくら町内会活動は自主活動といっても限界があるように思われます。鹿児島市はこの制度を抜本的に見直し、市長の公約パートナーシップ宣言の中にあるように民間力の活用に努め、第四次鹿児島市総合計画に心ふれあい支えあう市民社会を形成するとあるように、人と人のつながり、心と心の触れ合いをさらに深めていく施策をとる必要があるのではないでしょうか。 そこで伺います。 行政は町内会を行政のパートナーとして組み込み、有効に活用する施策をとるべきではないかと考えるがどうか。また、町内会の存続を考えると、今後NPO等の団体として行政とタイアップし協働した取り組みも考えられるが、見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 行政と町内会とのパートナーシップについてでございますが、本市では町内会やNPO等市民活動団体をパートナーとして位置づけ、連携、協力しながら協働によるまちづくりを積極的に推進しているところでございます。そのようなことから、公共的サービスを提供する市民活動団体に対し、経費の一部を助成する市民とつくる協働のまち事業を今年度から開始いたしまして、町内会もその対象といたしているところでございます。 以上でございます。   [柿元一雄議員 登壇] ◆(柿元一雄議員) 御答弁いただきました。 宮城県仙台市は、政令都市の中では最高の町内会加入率を誇ります。二〇〇五年六月現在八八・七%。高加入率が保たれている背景には自治会と密接な連携があり、その接着剤になるのが町内会育成奨励金であるとのことであります。平成十八年度は、一世帯五百三十円が町内会に補助金として交付されます。そのことは、よりよい活発な町内会運営をするために町内会育成奨励金を多く受け取ることであります。別な見方をすれば、町内会加入世帯をふやすことが、資金面においても組織面においても活発な町内会運営ができるということであります。 地域でできることは地域で行うという自主性、主体性などの自活意識の向上が必要であります。「人とまち 個性が輝く 元気都市・かごしま」は、町内会の活性化が基本にあります。町内会は任意団体であるからと手をこまねいておらずに、ますます地域活動を推進するために各種支援制度の創設や制度の抜本的見直しも必要かとも思うところであります。 当局の熱心な取り組みに敬意を表しつつも、現在の自治会制度は転換期ではないかと思い、検討すべきは検討されることを要望し、私の個人質疑のすべてを終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、柿元一雄議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 前十一時三十七分 休 憩            ─────────────────              午 後 零時五十八分 開 議 ○議長(赤崎正剛君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、平山たかし議員。   [平山たかし議員 登壇](拍手) ◆(平山たかし議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。 なお、質問通告の四番目は次の機会に質問することをあらかじめ申し上げておきます。 最初に、谷山地区の鉄道高架化事業について質問をいたします。 JR指宿枕崎線の谷山駅を中心とした鉄道高架化事業は、平成五年に木之下川の河川改修に伴うJR軌道のかさ上げの必要性から始まりましたが、当初この事業の工法といいますのは、現在の鹿児島駅と鹿児島中央駅間で見られるような、このような鉄道高架化事業そのものをこういうようなコンクリートの塀で上げるという工法でありました。こういうふうになりますと、副都心谷山の中心部を南北に約二キロにわたって高さ約二・五メートルのコンクリートの壁をつくることになり、これまで以上に谷山の中心部が分断をすることになります。 そこで、私たちは、JR軌道で分断をしている副都心谷山の中心部を一体化するため、連続立体交差事業に向けての取り組みを始めました。限度額立体交差事業から連続立体交差事業への実施について、国への働きかけも強める中で、本市の助役としての任につかれました山本助役のお力添えもあり、平成十七年三月には中核市の中で初めての、市が事業主体として実施をできる連続立体交差事業の新規着工準備箇所として国の補助内示を受けました。 今回の質問は、今日時点でここまで来たということを明らかにさせ、これからどう進むかという点についても新たな課題と提案を行い、順次当局の見解を伺ってまいります。 まず、事業実施に向けての手続は、これまでどのような経過を経て、今日どこまで進んできているのかという点について聞きますが、このほど、谷山地区の鉄道高架化事業についての都市計画決定に向けての都市計画審議会が開催をされたようでありますが、これまで約十年の長い道のりがありました。改めて、谷山地区の鉄道高架化事業のこれまでの経過と事業の必要性と事業効果、また、審議会での審議結果についても明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 谷山地区連続立体交差事業の必要性につきましては、JR指宿枕崎線が、本市の副都心として位置づけられている谷山地区を東西に分断し、地区の一体的な土地利用や良好な都市環境の形成等を阻害しており、鉄道の横断部で道路交通渋滞が生じ、経済活動や市民生活へ大きな影響を与えていることから、谷山駅付近から慈眼寺駅付近までの区間を連続して立体交差化するものでございます。 事業効果につきましては、交通渋滞及び踏切事故の解消、道路アクセス性及びネットワークの改善、高架下の土地活用、鉄道により分断されていた地域の一体化による良好な居住環境の形成と周辺住民の生活利便性の向上などが考えられるところでございます。 同事業につきましては、谷山第二地区土地区画整理事業とあわせて施行を予定している木之下川の改修に伴い、JR橋梁の軌道を約一・九メートルかさ上げする必要が生じたことにより、鉄道による地域分断がさらに深刻化することや交通渋滞など、まちづくりの課題の抜本的解決を図るため、平成五年度から県が事業主体となる連続立体交差事業の可能性について検討を始めました。また、市議会におきましても、平成八年六月にJR指宿枕崎線の連続立体交差事業の導入を求める決議がなされたところでございます。 しかしながら、平成十一年二月の市長・県知事会談におきまして、県による連続立体交差事業の実施は困難との最終結論が出されましたことから、本市が事業主体となって実施できる限度額立体交差事業の導入について国等との協議を行い、平成十二年度から各種調査設計を行ってまいりました。 これらをもとに、平成十五年六月に限度額立体交差事業の概算要望を行い、平成十六年度新規事業として補助採択され、これと並行して、連続立体交差事業の施行者について中核市レベルまで広げていただくよう国へ働きかけた結果、平成十六年度には施行者を拡大する見直しがなされました。 これを受け、連続立体交差事業の要望を行い、平成十七年度に全国で初めて市施行の連続立体交差事業の新規着工準備箇所として補助採択を受けたところでございます。 このような経過を経て、平成十七年十一月の地元説明会を初め、公聴会、都市計画案の公告・縦覧等の都市計画決定の手続を進め、本年六月九日に市都市計画審議会へ諮問し、六月十四日に県都市計画審議会へ付議したところであり、両審議会とも異議なしとの答申を受けたところでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) この間の約十年、これまでの経過と事業効果、必要性、そういうことについて局長の答弁をいただきました。 次の質問は、谷山地区の鉄道高架化事業と市電を延伸するという市電延伸問題は、どのように整理をされたかということについてであります。 鉄道高架化事業で踏切も遮断機もなくなり、これまで踏切や遮断機で事故の絶えなかった状況も改善をされ、人も車もすいすい通行をできるようになります。しかし、その一方、谷山電停からJR谷山駅までの市電延伸問題というのは、鉄道高架化事業にとっては新たな問題点が惹起することになります。この問題をどのように整理をされ、これから事業を進めていかれるつもりなのか、お聞かせをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 路面電車をJR谷山駅まで延伸した場合に生じる市道との交差部分の交通処理問題については、踏切処理と信号処理の両面から検討を行いましたところ、路面電車を平面により延伸した場合、周辺の自動車交通に対して、現状と同程度かもしくは悪影響を及ぼすおそれがあり、このことは、本市が現在進めております谷山地区鉄道高架化事業の事業効果を低減させることになるという結果が得られたところでございます。 その対応策といたしまして、路面電車の立体化の検討も行いましたが、中村踏切の交通処理問題は解決するものの、平面案に比べて約二十三億円の事業費が増加することとなり、費用対効果も低いという評価結果になりました。 このような結果を踏まえ、谷山地区における路面電車延伸については断念せざるを得ないとの結論に至ったところでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 次は、これまで、先ほど答弁ありましたとおり住民への説明会、公聴会、こういう開催で住民の方々からいろんな課題、問題点が指摘をされてきているわけでありますが、それらに対する対応についてお聞かせをいただきたい。 さらに、平成十七年第三回定例会で局長は、「計画推進に向けての協議会を設置をする」と答弁をされていますが、いつの時点で、どのような構成で、どのような項目について検討していかれるつもりか。以上、関係住民の方々への対応と今後の対応策についてお答えをいただきたい。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 今回の都市計画決定の手続の中で、昨年十一月に都市計画素案の地元説明会を、本年四月に都市計画原案に関する公聴会を開催してきたところであり、その中で住民の方々などから、鉄道高架化に伴う騒音・振動への対策や高架下の駐車場等への活用、駅前広場の整備に関することなどの御意見・御要望がございました。 これらの対応として、まず騒音・振動につきましては、平成十五、十六年度に実施いたしました環境影響調査では低減するとされておりますが、本市では高架化工事中及び完成後も騒音・振動等の調査を行い、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。また、高架下利用等につきましては、地元の皆様の御意見等を伺いながら、その利活用を検討していくことにしております。 次に、協議会についてでございますが、谷山電停を含む谷山駅周辺のまちづくりや高架下や高架沿いの残地利用等について検討をするため、学識経験者や関係機関、地元住民等で構成する協議会を、都市計画決定後速やかに設置することといたしております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 騒音・振動への対策については、十分なる対応をされるよう要望いたしておきます。 次は、これまでの議会でも提起をいたしてまいりました課題についての、国並びにJRとの協議結果と本市の考え方の方向づけについて質問をいたします。 まず、連続立体交差事業にかかわる事業費総額は幾らか。また、費用負担の割合は国、県、市、JRそれぞれどのようになるのか。また、それは協定書なりの締結を行うものかお聞かせをいただきたい。また、その時期についてもお答えをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 谷山地区連続立体交差事業の事業費につきましては、概略設計時における概算事業費で約百五十億円を見込んでおります。 事業費に対する国、県、市、JRの費用につきましては、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱及び同細目要綱などに基づき負担することになります。 現在の概算事業費で試算いたしますと、市の負担が約五〇%、JR九州の負担が約六・三%、残りは国等の負担となる見込みでございます。 これらの費用負担につきましては、都市計画事業認可後にJR九州と工事基本協定を締結することといたしております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 次は、鉄道を高架化した際の高架下の土地活用策についてであります。 これまでの議会の中でもお示しをいたしておりますが、駐車場をつくる、駐輪場に活用をする、あるいはまた子供たちの遊び場に活用すると、こういう形で鉄道高架化下の活用がされているわけであります。特に集会場や公共施設の配置などいろんな要望が出ているわけでありますが、周辺住民や商店街からの要望実現をさせるとそういう点では、高架化下の土地をJRから鹿児島市が借り入れるべきとこれまで申し上げてまいりましたが、JRとの協議は調ったのか。調ったのであれば、その内容と今後の対応策についての考え方をお示しをいただきたいのであります。 また、JR軌道の沿線に存在をしておりますJR用地についても鹿児島市が買収をし、市民のために活用すると、そういうような対応も必要と思いますので、JRとの協議状況もあわせてお聞かせをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 今回の連続立体交差事業により生まれます高架下の空間につきましては、駐輪場、駐車場等への利用が考えられますことから、JR九州が必要とする部分を除き、市が一括して借り上げ、活用したいと考えております。 また、高架化後のJRの残地につきましては、減価補償金相当用地の先行取得や副都心地区内の回遊性を高めるための歩行者系ネットワークの構築などへ活用が考えられることから、買収することでJR九州と合意しているところでございます。 これらの高架下やJR九州残地の利活用策につきましては、今後設置する協議会において、地元の皆様の御意見をお聞きしながら検討してまいります。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 鉄道高架化された下の活用については、地元要望を含めて、協議会等がかなり重要になってくるというふうに思っております。 もう一つ申し上げておきますが、鉄道高架化の活用に関連をいたしまして、国道二百二十五号線側と永田川沿いを結ぶ新しいJR谷山駅に自由通路をつくり、その近くに市政情報の発信の場の機能を備えた市民のための便利な市役所の窓口という観点での市の施設をどうしても検討していただきたいのであります。当局の答弁を求めます。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 谷山駅部の高架下におきましては、南北を往来できる通路を設置する計画といたしております。 また、駅部は高架橋の幅も一般部に比べて約十六メートルと広く、おただしのような施設を設置することも面積的には可能であると考えております。駅部の高架下の活用につきましても、今後、地元の御要望もお聞きしながら、庁内の関係部局とも協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) ただいまの提案をぜひ組み入れていただきますよう要請をいたしておきます。 次は、JR谷山駅についてでありますが、JR谷山駅は新築をされ、その二階部分にJRのホームができるということになるのか。また、そうなれば改札口とホームを結ぶエレベーターの設置など、バリアフリー対策が必要となります。JRとの間にこれらの基本的な点での一致点は見出されたものか。その概要をお示しをいただきたい。また、慈眼寺駅についてのJRとの協議状況をお示しをいただきたい。 さらに、駅前広場の設置についてのJRとの間で、新しい駅前広場の広さとその運用形態については協議が調ったのか。現時点で明らかにできるものがあれば、お示しをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 JR谷山駅及び慈眼寺駅につきましては、鉄道を高架化することによりまして高架駅となり、二階部分にホームができることから、エレベーターを設置することでJR九州と協議し、合意しているところでございます。 また、谷山駅前広場につきましては、面積約五千平方メートルとし、鹿児島中央駅の駅前広場と同様に、本市とJR九州との協定広場としてJR九州が管理することとなります。 また、慈眼寺駅前広場につきましては、面積約一千九百平方メートルの交通広場として本市において管理することとなります。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) JRとの協議状況は、私どもが提起をしておりますそういう方向で一定の方向は出てくるというふうに理解をいたしておきます。 次は、鉄道高架化事業でこれまでのJR鉄橋としての役割を終えることになります、JRの永田川橋梁についての質問です。 昨年九月の議会で、「鉄道高架化事業でこれまでのJR鉄橋がその役割を終えることになる。しかし、まだまだ使える橋梁。人道橋として拡幅するなり、もっと工夫して、JR谷山駅側と市電谷山電停を結ぶ新たなネットワークとして、商店街の振興と触れ合い・出会いの場としての役割を持ってもらう。そうすると、永田川鉄橋は新たに生まれ変わり、役割を果たしていくことにもなる」というふうに提案をいたしてまいりました。これまで、全国の橋の新たな活用事例を議会の中でも示してまいりましたが、このJR永田川橋梁についてのJRとの協議結果と活用策についてお聞かせをいただきたいのであります。 また、JR谷山駅と市電谷山駅を結ぶ新たなネットワークというのは、谷山副都心構想の具体化としての画期的な意味合いを持たせることにもなると思います。提案をいたしておりましたので、建設局長並びに谷山地区の中心市街地活性化計画の推進という部門を担当されておられます経済局長に、このことについての答弁をあわせて求めておきます。 以上、答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) JR永田川橋梁についてお答えいたします。 谷山地区の中心市街地活性化につきましては、これまでも空き店舗対策事業や谷山地区中小企業振興活性化事業など、官民一体となって取り組んでいるところでございます。 基本計画において、空間的魅力の創出の一つとして、交流・コミュニケーション空間の形成を掲げており、同橋梁を自転車歩行者道として整備することは、JR谷山駅と谷山電停とのアクセスが向上し、人と人との交流、地域と地域の交流が図られ、商店街の振興という面からも、両地域の一体的な発展に有効であると考えております。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 現在のJR永田川橋梁につきましては、鉄道高架化後、谷山電停とJR谷山駅のアクセスとしての活用ができることから、無償譲渡することで協議し、JR九州から了承を得ているところでございます。 同橋梁の再利用につきましては、JR谷山駅付近と市電谷山駅付近のアクセス向上に果たす役割も大きいことから、今年度、自転車歩行者道としての概略設計を行い、谷山駅周辺地区土地区画整理事業と一体となった具体の整備計画を作成していくことといたしております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) JR永田川橋梁の改めての活用策については、市民の利便性の向上、商店街の振興という面からも、経済局、建設局連携をとって事業推進を図られるよう要望をいたしておきます。 鉄道高架化事業がいよいよ具体的になってまいりましたので、新しい課題について提案をし、見解を伺っておきます。 まず、JR谷山駅前広場については、約五千平方メートルの駅前広場が位置づけられているというふうに答弁をされました。このJR谷山駅に隣接をしている谷山中央一丁目の情報高校周辺というのは、毎年、河川からの逆流や雨水等の宅地内への浸水に悩まされている地域です。この常時低地浸水地域の対策として、JR谷山駅前広場の地下を含めて雨水貯留施設をつくり、浸水対策と土地区画整理事業という観点での事業として、ぜひとも検討をしていただきたいと思うのであります。見解をお聞かせをいただきたい。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 谷山駅周辺地区につきましては、土地区画整理事業によりましてJR谷山駅前広場や公園等の公共施設を整備することといたしており、そのスペースを利用した雨水流出抑制は可能であると考えておりますので、施設整備計画を策定する際に、そのことも含め検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 次の質問は、先ほどの局長答弁でも明らかなとおり、鉄道高架化事業と一体的に推進をされるべきが、JR谷山駅周辺地区土地区画整理事業であります。この二つの事業というのは、連帯して同時に進まなくては事業目的を達成できませんので、この二つの事業のこれからのスケジュールについての質問をいたします。 鹿児島市都市計画審議会の審議は終わりました。それでは、二つの事業の都市計画決定はいつごろになるのか。また、都市計画決定と同時に区域内への建築物の建築については、都計法第五十三条の建築物の制限がかかると思うが、そのとおりか。 さらに、土地区画整理事業については、国の補助事業としての補助採択となったものか。事業計画決定の見通し、土地登記簿の分筆・実測の申し出等の締め切りの時期はいつごろか。このことについて明確にされ、二つの事業の事業着手の時期についてのその見通しについても、お示しをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 鉄道高架化事業と駅周辺事業の都市計画決定につきましては、今後、市決定分については県知事の同意を、県決定分については国土交通大臣の同意を得て、順調にいけば七月ごろには都市計画決定できるものと考えております。また、都市計画決定後は、おただしのとおり建築物の制限がかかることになります。 谷山駅周辺地区土地区画整理事業については、平成十八年度の新規事業箇所として本年三月三十一日に補助内示をいただいているところでございます。 事業計画の決定の時期の見通しや土地登記簿の分筆・実測の申し出等の締め切りの時期などにつきましては、都市計画決定後の事業計画の策定に際し、地元説明会等の開催や関係権利者や地域住民との合意形成、国・県等関係機関との協議も必要となりますが、今後これらの手続を早急に進め、十九年度の早い時期には事業計画を決定し、事業着手できるよう取り組んでまいります。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 早い時期の着工、そして早い時期に完了する、このことがやはり大きな課題だと思っておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。 次は、鉄道高架化事業実施に際しての工事発注に当たっては、地元業者への仕事確保と雇用の拡大という観点からの協議をJRと進めるべきとの質問であります。 先ほどの答弁でも明らかなとおり、連続立体交差事業というのは関連事業を含めて約百五十億円の事業費となり、そのうち鹿児島市が五〇%負担をすると、一方、JRの負担は全体事業費の六・三%というふうに言われました。全体事業費のうちの鹿児島市が五〇%の負担となりますと、税金投入のその事業効果が鹿児島市域の事業所の仕事確保と雇用の増加につながり、地域振興にもつながるような努力をすることが必要だと思います。このことについての基本的な考えと、JRとの協議を進めていただきたいというふうに考えているわけでありますが、このことについて答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 谷山地区連続立体交差事業の工事につきましては、JR敷地内の施設にかかわる工事となることから、そのほとんどをJR九州に委託して施行することになると考えております。JR九州発注の工事につきましては、列車の安全運行や工事の特殊性等の観点から、施工業者の選定に当たって一定の基準を定めているとお聞きしております。 本市といたしましても、できるだけ地元事業者の受注機会を確保していただくようJR九州へ働きかけるとともに、市が直接発注し、地元事業者が施工できる工事等がないか協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 前向きの答弁と受けとめておきます。 鉄道高架化事業とJR谷山駅周辺地区土地区画整理事業については、建設委員会に委員がおりませんので、かなり時間を割いて具体的に課題について質問をしてまいりました。 この件の最後に、これまでの答弁を踏まえて森市長にお伺いをいたします。二つの事業がここまで来れたということに対しましては、前赤崎市長、そして今日の事業の具体化のために御努力をいただいております森市長を初め、関係当局の御努力に敬意を表します。そこで、これからの事業の遂行に向けての思いと決意のほどをぜひお聞かせをいただきたいのであります。 森市長の答弁を求めます。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 平山たかし議員にお答えいたします。 谷山地区連続立体交差事業と谷山駅周辺地区土地区画整理事業の両事業は、副都心の将来のまちづくりにとって最も重要な事業であると考えまして、これまで一日も早い事業化に向けて鋭意取り組んでまいったところでございます。 今般、両事業の都市計画決定が確実になったことにつきましては、これまで、市議会を初めとする関係機関並びに地域住民の方々の御協力と長年の取り組みの成果でありまして、事業が大きく前進する一つの節目であると考えております。 私といたしましては、谷山の中心市街地の活性化にも寄与することから、両事業が一日も早く工事着工し、円滑に事業が推進できるよう、今後とも引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 森市長の力強い決意で、私も地域も一層元気づいてまいりました。ありがとうございます。 新しい質問に入ります。 次に、異常潮位、高潮による河川からの海水の逆流による浸水被害と降雨、豪雨による雨水の浸水被害から市民の財産・暮らしを守る施策の実施について質問をいたします。 私はこのほど、河川からの海水・雨水の逆流と浸水対策の先進地と判断をいたしました徳島河川国道事務所と徳島市の対策について、政務調査費による調査を行ってまいりましたので、その調査結果と分析を踏まえて、本市の実態に合わせどう生かすかという観点での市長申し入れもいたしておりますので、以下お伺いをいたしてまいります。 まず、宅地や道路等への海水の逆流や雨水流入による浸水被害対策として、本市の独自策について数点質問いたします。 第一の質問は、毎年繰り返される浸水や異常潮位による高潮対策として、流域ごとの浸水原因の分析を進めるとの議会答弁がありましたが、流域ごとの対策の検討結果と対策を含め、河川流域ごとに具体的にその内容についてお聞かせをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 永田川流域と和田川流域におきまして、ことし三月までに実施いたしました現況調査の結果と、ことしの台風時期までの緊急対策についてでございますが、永田川流域では東清見水路周辺や清見橋水路周辺、国道二百二十五号清見橋左岸付近などの地盤が低い箇所に永田川から逆流した雨水が滞流し、浸水被害が発生していることから、新たに招き扉を十一カ所増設するとともに、可搬式ポンプを二基配置することといたしております。また、あわせて土のうステーションの新設とグレーチングからの吹き出し防止を行うことといたしております。 和田川流域では、谷山市民会館周辺、松林寺橋左岸付近、西塩屋橋左岸付近などに和田川、木之下川からの逆流により被害が発生していることから、招き扉を七カ所増設するとともに、可搬式ポンプを五基配置し、あわせて土のうステーションを新設することといたしております。 なお、浸水シミュレーション等における詳細な水理解析作業につきましては、ことし九月末を目途に進めており、現在、浸水原因などの分析を行っているところでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 独自対策の二番目の質問というのは、全体の集計についてであります。 異常潮位によって海水が河川から側溝に逆流をすることを防ぐ招き扉の設置箇所は幾らか。今後の設置箇所について、それぞれ全体の集計としてお聞かせをいただきたいのであります。 また同時に、海水逆流防止扉が設置をしてあるところとこれから逆流防止扉を設置をする必要箇所、そのうち何カ所に排水ポンプが設置をしてあるのか。さらに、排水ポンプ未設置の箇所はいつまでにポンプを設置をするつもりか。 また先日、鴨池・真砂地区の対策として可搬式ポンプの配備を答弁をされましたが、先ほどの答弁を含めて、ポンプのこの機能というのは緊急対策なのか。そのことも含めて、その機能と役割を含め、対策についての考えをお示しをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 現況調査に基づく招き扉の必要箇所数と設置箇所数及び今後の計画についてでございますが、低地区全体で申し上げますと、必要箇所数が八十六カ所ございますが、そのうち設置済みが四十カ所ありますので、残りの四十六カ所を新たに増設することといたしております。 これを流域ごとに申し上げますと、清滝川流域では二十二カ所のうち設置済みが十七カ所、計画が五カ所、鴨池川流域では四十一カ所のうち設置済みが十八カ所、計画が二十三カ所、永田川流域では十三カ所のうち設置済みが二カ所、計画が十一カ所、和田川流域では十カ所のうち設置済みが三カ所、計画が七カ所となっております。 現在設置している招き扉と排水ポンプの箇所数についてでございますが、低地区全体で申し上げますと、招き扉が四十カ所、排水ポンプが七カ所ございます。 これを流域ごとに申し上げますと、清滝川流域では招き扉十七カ所で排水ポンプ三カ所、永田川流域では招き扉二カ所で排水ポンプ一カ所、和田川流域では招き扉三カ所で排水ポンプ三カ所、鴨池川流域では招き扉が十八カ所ございますが、排水ポンプは設置いたしておりません。 これらの流域につきましては、今回、抜本対策を講じるまでの間の浸水被害の軽減策といたしまして、ことしの台風時期までに毎分四立方メートルの排水能力を持つ可搬式ポンプ十六基を配置することといたしております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 河川流域ごとにそれぞれお聞かせをいただきました。ことしの台風時までには毎分四トン、十六基を配置をすると、緊急対策というふうに受け取っておきます。 それでは、次の質問というのは、昨年の市議会本会議でも再三にわたって取り上げてまいりました、機動力のある排水容量の大きいポンプ車と災害現場作業用の照明車を購入をし、災害対策の充実を図っていただきたいということについての質問です。 これまで災害の特徴というのは、災害に見舞われたことのない地域での浸水災害もありました。さらには、谷山中央の災害のように、ポンプ施設を設置をしたのに一年で三回も床上浸水というように、ポンプの能力にも問題があり、ポンプの能力以上の広範囲の水系からの流入と、こういう事態となり災害が起こることもありました。また、ポンプ施設があってもヒューズが切れたり、ポンプ施設が作動しなかった。花木の葉や木の枝でポンプ施設の入り口がふさがれ、水が入ってこないというトラブルによる浸水被害が起きています。 このような事態が起きたとき、機動力のある強力な排水ポンプ車両があれば、災害現場近くまで車両が行けるし、ポンプ設備がないところも、さらにポンプ施設のトラブルの際の代替としての排水ポンプ車両の出動というのは大きな役割があると思います。 さらに、道路部分が低地部分、道路がアンダーになっていて道路の一部が冠水をし、水が引くまで通行どめという唐湊地区や鴨池の市民駐車場横の道路アンダー部分の道路冠水などにも対応できるものであります。 これは、私どもが調査をいたしました三十トンのポンプ車両であります。これは、その災害の際の照明車であります。こういうものを配置をして、こういうような形で浸水した地域を早く復旧を図るというのが、このポンプ車と照明車の役割であります。 これは、実際に徳島の国道事務所の方で訓練をしている様子です。これは、昨年の災害で徳島市で災害を受けたところです。ここにはもう家がつかったまま写っています。災害の現場を含めて、写真をいただいてまいりました。やはり私は実際のこの状況を見て、鹿児島にも対応できるというふうに思ったんです。 購入するにはそれではどれぐらいの金額が必要かという点では、年間の維持費を含めて、当局にも資料を提示したとおりであります。そんな莫大な金額ではないと思っております。 先ほどの排水ポンプ車両の効果を含め、申し上げたことについての当局の見解と車両購入に当たっての考えをお示しをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 排水ポンプ車についてでございますが、排水ポンプ車は固定の排水機場に比べまして経済性、機動性にすぐれており、また、緊急対策で配置する可搬式ポンプと比べまして排水能力も大きいことから、効果的な方法の一つであると考えております。 導入につきましては、現在行っております水理解析業務の中で、ポンプ排水を行う適地などの地形的条件や排水先、排水先から下流域への影響などを含めまして検討してまいりたいと考えております。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 前向きの答弁と受けとめておきます。 鹿児島市の独自策に引き続いて、次は、国の制度を最大限に活用すべき方策について質問をいたします。 国の下水道総合浸水対策緊急事業は、制度化されましてから平成十八年までの間に緊急事業が年々拡充をされ、補助対象の要件も拡大をしているようであります。対象地区の選定や浸水被害対策計画をつくり、対応していけば、貯留・排水施設や管渠のネットワーク化や防水ゲートも補助対象となるようであります。 これからも必要となります解析、分析、シミュレーションでの総合的な検討など、ぜひ国の補助事業として採択をしていただく努力を進めていただきたいのであります。制度の内容と本市の実態に合わせた事業導入についての考え方をお示しをいただきたい。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 下水道総合浸水対策緊急事業でございますが、採択要件といたしましては、床上浸水被害が発生し未解消となっている地域で、過去十年間の延べ床上浸水被害五十戸以上、延べ浸水被害二百戸以上で、かつ床上浸水が二回以上発生した地区となっております。また、補助対象といたしましては、排水施設の下水排除面積が〇・五ヘクタール以上となっております。 本市の低地区全体の浸水被害につきましては、消防局データといたしまして過去十年間の延べ床上浸水被害が百二十一戸、延べ浸水被害が一千三百五十三戸、床上浸水は五回発生いたしております。 補助採択に当たりましては、対象地区の設定などまだクリアすべき課題もございますが、事業導入に向け、国土交通省九州地方整備局と協議を進めているところでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 事業導入に向け、一層の努力を要請をいたしておきます。 次の質問は、国土交通省が全国の自治体等に発信をしている災害時における自治体等への応援・支援メニュー、この積極的な活用策についてであります。 国は、被災地域の被害拡大の防止と早期復旧のための自治体への資機材、マンパワー、ノウハウ等の応援・支援メニューをつくっています。その応援・支援メニューの中には、災害対策用車両であります先ほど述べました排水ポンプ車、照明車などの要請にも応じて貸し出すというふうになっています。 私どもの調査では、鹿児島国道事務所には排水ポンプ車はこれまで一両も配備されていないようであります。しかし、このほど九地建に対しては、排水ポンプ車九両が国の補助予算で新しく配備をされたようであります。ぜひ鹿児島国道事務所への配備を九地建に要請をされ、鹿児島市域内の浸水災害の際の車両等の貸し出しを受けられるよう、緊急に要請をされるべきと思っております。 お聞きをしたいことは、国のこのような応援・支援メニューの存在を市当局は御存じだったのか。また、これからの九地建などへの配備要請と貸与、出動に際しての事前協議をぜひ進めていただきたい。このように要請をいたしますので、当局の見解と対応についてお答えをいただきたい。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 国におきましては、災害時における自治体等への応援・支援メニューとして、災害対策用車両を貸与する制度があるようでございますが、先日照会するまで承知いたしておりませんでした。 おただしの排水ポンプ車につきましては、本県では直轄河川を管理する川内川河川事務所、大隅河川国道事務所に配備されているようでございますので、制度の詳細な内容、運用について国にお聞きし、本市の浸水被害の実情を訴え、鹿児島国道事務所への配備について相談してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 国の関係機関に対する車両の配備状況につきましては、県都鹿児島市の災害状況というのがやはりもっと大きく国に対しても働きかける必要があるのではないかということを改めて申し上げておきます。 この問題の最後に、鹿児島県当局への要請についての質問であります。 徳島県は平成十七年度に毎分三十トンの排水ポンプ車二両を購入をし、一両は県都であります徳島市内の災害対策として配備いたしました。本市の浸水災害というのは、鹿児島県が管理をする河川からの水の逆流を原因とする災害というのがかなりあります。鹿児島県としても、県都における災害対策という観点から、排水ポンプ車の購入を含めて、災害対策として新たな対応を検討されるようぜひ県に要請をしていただきたい。 また、これまでの議会の中で局長の答弁でも、「役割分担を踏まえ、協議をしていく」と答弁をされておられますので、改めてこれからの対応を含めて、当局の答弁を求めていく次第であります。 答弁願います。
    ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 県との協議についてでございますが、緊急対策を検討するに当たっては、被害実態を踏まえて県との協議を行い、甲突川の護岸かさ上げや招き扉の設置を行ってきております。また、抜本対策の検討に当たっても、県市の役割分担を踏まえた具体的な協議を行うこととしており、下水道総合浸水対策緊急事業の導入につきましても、県と一体となって取り組んでいるところでございます。 また、排水ポンプ車の購入につきましては、他都市の事例も踏まえ、県に要請してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) これまでの関係当局の御努力に敬意を表し、一層の努力方を要請をいたしておきます。 新しい質問に入ります。 次は、岩崎グループのバス路線廃止計画の市民生活に与える影響と行政当局の対応について質問いたします。 南日本新聞のひろば欄でも、「交通弱者を守る行政に」という投書では、「廃止されると最も困るのは学生や通院者、高齢者など自家用車が使えない交通弱者と言われる人々です。中でも、町から遠く離れている人々は生活権さえ奪われかねません」「今、まさに貧富の差が拡大し、弱者が置き去りにされようとしています」というふうに掲載をされ、その後も同様の訴えが寄せられております。 我が党の仁比聡平参議院議員は、去る五月十日の決算委員会でもこの問題を取り上げ、国としてもぜひ特段の御努力をお願いしたいというふうに大臣にも要請をしておりますが、党市議団も、岩崎グループのバス路線廃止計画の鹿児島市域内における影響等についての調査を市当局に要請をしてまいりました。このほどその計画内容を示していただきました。その内容を見ますと、市民生活と市民の足を守るという点で重大な問題を引き起こすと判断をされますので、その問題点について、以下質問をいたします。 まず、岩崎グループのバス路線廃止計画が本市の市域内にどのような影響を与えることになるものか。市域内の廃止対象とされている路線の数とその運行経路の特徴、運行距離、想定をされる利用者数等についてお示しをいただきたい。 答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 本市にかかわる廃止対象の運行系統数は七十四で、運行距離の合計は約五千六百三十キロメートルでございます。また、廃止対象の路線区間数は三十五で、路線廃止キロ数の合計は約三百五十キロメートルでございます。 廃止対象運行系統につきましては、本市域内に路線廃止区間があるもの三十八系統、本市域外に路線廃止区間があるもの九系統、路線廃止区間がないもの二十七系統となっております。 また、廃止対象運行系統の利用客数でございますが、路線確保対策部会で示されました資料によりますと、一便当たり三十人以上が七系統、十人以上三十人未満が四十七系統、四人以上十人未満が十四系統、四人未満が六系統となっております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 答弁をいただきましたが、今回のバス路線廃止計画の中で最も影響を受ける地域がどういう地域かということで、私どもも調査をしますと、市街化調整区域内に住まれる方々への影響がとりわけ大きいと判断をされるのであります。 今回のバス路線廃止計画によると、本市の市街化調整区域内のバス路線は何本の路線中何本が廃止計画となっているものか。また、その結果、他の民間バスの路線は市街化調整区域内に何本残ることになるのか。その特徴について、地区を挙げてお示しをいただきたいのであります。これが第一。 第二の影響としては、合併した旧五町の中ではバス路線廃止の影響もこれまた市民生活に重大な影響を与えるのではと判断をしますので、廃止計画による各町ごとの路線本数とその後に残る路線数をそれぞれお答えいただきたいのであります。 以上二点、一括して質問をし、答弁を求めます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 各地域の現在の運行本数につきましては、ほかのバス事業者の運行分を含め、把握していないところでございますが、今回の届け出どおりに廃止されますと、市街化調整区域におきましては、二十二の運行系統が廃止されることにより、十六の路線区間が廃止されることとなります。路線廃止区間のうち吉野地域の国道十号や伊敷地域の国道三号につきましては、ほかのバス路線により運行が確保されますが、他の路線廃止区間につきましては、その大部分において路線バスが運行されなくなるものと考えているところでございます。 次に、旧五町域において廃止対象とされている運行系統数及び路線区間数を地域ごとに順次申し上げますと、桜島地区一運行系統、喜入地域七運行系統、二路線区間、松元地域四運行系統、二路線区間、郡山地域十五運行系統、一路線区間となっております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 今回のバス路線廃止計画というのが大隅や南薩だけの問題ではなく、鹿児島市域内への影響が極めて大きいというふうに考えるわけでありますが、やはりバス路線廃止の影響という点では、このバス停のどの時間帯のバスが廃止をされるかという観点で見ないと、その影響がはっきりしないということに私も気がつきました。したがって、谷山地区を例にとって、実際にバスを利用されている市民の方々の目線から見た場合の問題点について、具体的にバスの時刻表を現地に行って調査をしてまいりました。 まず錫山地区、去る六月十三日、日中は二十八度を超す暑い日でした。私は、市営住宅入り口にあります錫山入口のバス停でバス時刻表を写しとり、錫山小学校周辺の方々の声を聞いてまわりました。昼の二時前、再度このバス停を通りますと、一人の高齢の御婦人がバス停の時刻表の標識の土台にちょこっと座って、バスの来るのを待っておられます。私が軽自動車をとめて「どけ行っきゃっとな」という声をかけますと、「下ん病院に行っもしと」と、それから会話が進みました。 二時二十四分に来る鹿児島交通のバスを待っておられ、「八十一にないもした。腰を痛めて病院に行っもしと」と言われ、私が「バス廃止の計画があっで、いけな影響があいか確かめに来ました」と言いますと、「んだもしたん、バスがねごっなればいけんしもそかい。病院にも行っがならんごっなっ」と言われたその表情は今でも忘れられません。 この八十一歳の御婦人は私の軽自動車に同乗され、約二十分いろいろと話をさせていただきましたが、車を降りられる際には何度も手を合わせ、「頼んもんでなあ」と拝まれました。だから市長に聞くんです。 改めて、今回のバス路線廃止計画の与える影響の大きさと、何とかしてほしいという切実さを改めて痛感をいたしました。したがって、廃止計画の全容を明らかにさせるために、谷山地区の幾つかの事例を具体的に申し上げ、質問をしてまいります。 錫山地区は、廃止計画によりバス便は一便もなくなると思うが、そのとおりか。また、谷山地区でバス便がゼロとなるバス停を挙げていただきたい。 二、谷山のさんぽバスは、住民要望によってこれまで運行が継続をされてきました。坂之上、和田名、生協病院前、谷山本町、谷山支所通、谷山駅前、谷山電停前、希望ヶ丘、自由ヶ丘、中山町、こういうふうに谷山の南北の団地と谷山の中心とを結ぶバス便で、フリー乗降、大人百五十円、子供八十円で運行されておりますが、これも全部廃止となると思うが、そのとおりか。また、谷山さんぽバスの廃止によっては、バス便は全く運行されないバス停が出てきます。そのバス停を挙げていただきたい。さらに、生協病院前バス停などは、バス便はゼロとはならないが、一日のうちにわずか片便一便だけ、そのとおりか。 三、谷山支所や高齢者福祉センター谷山に行かれる方々のバス便も減便の対象となると思うが。 第四、谷山の団地等のバスも運行便数がかなり減ると思うが、そのとおりか。 これらの状況は、谷山だけでなく市域内の随所にあると思うが、そのとおりか。 以上のことから、市域内の具体的な状況の把握に努められるよう当局に要請をし、見解を求める次第でございます。 答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) ただいまおただしのありましたことにつきましては、そのとおりでございます。 また、路線バスが運行されなくなるバス停といたしましては、谷山さんぽバス関係では、光山団地中央、坂之上配水池前、下福元北、慈眼寺橋、ダイエー谷山店前、N'sCity前がございます。そのほか谷山地区におきましては、炭床、宮園、星ヶ峯墓園下などがございます。 また、廃止対象とされております路線につきましては、早急に個別の路線ごとに利用状況等を調査し、実態の把握に努めることといたしているところでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 今、私が申し上げました事態というのは、具体的にバス停のその標識を見て、どのバス便がどういうふうになるのかというふうに調べないとはっきりわからないんです。そういう点では、実態把握を早急に行われますよう要請をいたしておきます。 交通局長にお伺いいたします。 今回のバス路線廃止計画を交通局長は、公営企業バス事業の管理者として規制緩和問題を含めてどのようにとらえておられるのか。市民の足を守るという観点から、やはり今後、積極的方策を検討されるべきとも思いますが、今後の対応策についての基本的な見解と具体的な考えがあれば、お聞かせをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎交通局長(永田哲夫君) お答えいたします。 本市の公共交通機関であるバス事業については、公営及び民営によって市域をそれぞれ分担しながら、地域住民の交通手段の一翼を担ってきております。今日、少子高齢化の進展、交通手段の多様化、輸送環境の悪化など、バス事業は大変厳しい経営環境に置かれております。また、規制緩和により、参入を制限していた需給調整規制が廃止されたところであり、貸し切りバスについては新たな参入の動きがあるなど厳しい状況が見られますが、幸いにして路線バスについては、現在のところ参入の動きは見られないところでございます。こういう状況での今回のバス路線の廃止でございます。 公営企業である交通局においては、本来の目的である市民の足の確保という公共の福祉の増進を図らなければなりませんが、一方では経済性を発揮した運営も必要とされるところでございます。 廃止を計画している路線を交通局の路線として新設及び延長することは、新・経営改善計画を策定し、経営努力をしているところであること、また、規制緩和がなされたとはいえ、主に当該民間事業者が運行している路線であることなどを考え合わせると、なかなか難しい面もありますので、今後の県バス対策協議会の動きを見守ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 交通局長には、公共の福祉という観点と経済性の発揮、この二面があるということについては私も同感でありますが、この問題の最後にそれでは市長にお伺いいたします。 今回のバス路線廃止計画をどのようにとらえ、これまでどのような対応をされてこられたのか。特に、今回のバス路線廃止計画が市民生活に大きな影響を与えるという認識がおありか。それでは、これからどのような対応と努力をされていかれるのか。今回のバス路線廃止計画についての基本姿勢と具体的な対応について、お聞かせをいただきたいのであります。 昨年の議会でも提起をいたしてまいりました、公共交通が不便と思われる地域の抽出と有効な施策の検討の課題、このことについてその後の検討状況についてもあわせ、非常に密接な関係があるというふうに考えておりますので、この際お答えいただきたいと思い、質問する次第です。 答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) このたびのバス路線廃止計画は、廃止対象路線の沿線市町が本市域はもとより県内の三十市町にも及ぶ大規模な内容となっておりますことから、その計画が明らかにされて以降、私といたしましても、県に各面から取り組みを要請をするとともに、バス事業者に対しましても、地域住民への影響に配慮いただき、運行を継続されるよう要請を行ったところでございます。 また、県市長会を通じても同様の要請を行うとともに、県と市との意見交換等の場におきましても、県の主体的な取り組みについて要請を行ったところでございます。 地方バス路線は、今日まで、高齢者などの交通弱者を初めとする地域住民の方々の交通手段として地域住民の生活の一翼を担ってきております。また、その一方で、モータリゼーションの進展や規制緩和などによりまして、バス事業者の経営環境を取り巻く情勢が厳しくなってきていることも事実でございます。 こうした中で、本市といたしましては、今後、廃止対象とされている路線ごとに利用実態等を十分に調査した上で、地域住民にとって真に必要な路線につきましては、確保していくための方策を検討していく必要があるものと考えております。 また、公共交通が不便と思われる地域に関しましては、これまでの議会での議論を踏まえまして、本年度から全市的な観点で公共交通機関の現況等について調査を行い、公共交通の不便な地域における公共交通のあり方について検討を行うこととしておりますが、このたびのバス路線廃止計画による影響も考慮する必要があるものと考えております。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 市長より、基本方針、姿勢について御答弁をいただきました。 必要な路線については、やはり市民の足を守るという点で、交通事業だけに任すのではなくて、市長部局としてもどういうような対応をとるのかということが、本当に今、必要になってくるというふうに考えております。 今回のバス路線廃止問題というのは、制度の仕組みそのものから、このままでは十一月八日には自動的に実行されることになります。そういう点では、本市においてはこれまでにも、公共交通不便な地域への対応というのが、敬老パスの恩恵を受けない地域の高齢者への対応という点でも課題になってきたわけでありますから、今回はその上に、バス路線の廃止問題であります。 午前中の質疑の中で「七月中には方向づけを行いたい」というふうに答弁をされたというふうに理解をいたしておりますので、いよいよ六月、七月、この七月までの間にどういうような対応をとられていくのかというのは、まさに市民の足を守るという観点で、地方自治体がどういうような役割を果たすのかということが問われてくるというふうに思っております。 鹿児島市交通局のバス事業の存在、これも積極的にやはり活用をされ、不採算路線であっても市の行政として運行助成等を含め、本当に市民の足を守るということを積極的かつ万全の方策で検討を進めていただきますよう心からお願いを申し上げる次第です。 ぜひその際に大事なことは、今まで申し上げましたとおり、バス停の時刻表を見て、どの便が実際に路線がなくなるのか、こういうことも具体的に調査をされて、認識をされて、どの便をどういうふうにする、どういう形でネットワークをつくっていくということが企画、そしてまた交通事業者としても、そしてまた市民の足を守る市民局としても、敬老パスについては健康福祉局としても、やはり庁内全体としてこのバス事業の廃止問題について検討していくということが、今日極めて重要になってきているというふうに考えますので、そのことについて心からお願いを申し上げ、私の個人質疑のすべてを終わらせていただきます。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、平山たかし議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、崎元ひろのり議員。   [崎元ひろのり議員 登壇](拍手) ◆(崎元ひろのり議員) 平成十八年第二回定例会に当たり、私は公明党市議団の一員として個人質問を行います。なお、通告の中で一部割愛する部分があることを御了解願います。 初めに、道州制導入を見据えた本市のあるべき姿について伺ってまいります。 本年二月に内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会から提出された道州制のあり方に関する答申では、国と地方双方の政府の仕組みを再構築し、我が国の新しい政府像を確立する見地に立てば、道州制の導入が適当であるとの見解が出され、道州の区域例が三パターン示されたところであります。また、今月まとめられた全国知事会の道州制特別委員会における最終報告案では、真の分権型社会を構築するためには、都道府県制度を基礎にした対応では限界があるとして、道州制を導入する必要があるとの提言がなされております。さらに、森市長もその一員であられる九州市長会では、先月十七日、本県の霧島市で行われた総会において九州府構想骨子が承認され、全国に先駆けて十年後の九州府実現を目指すという、道州制の九州モデル実現への市長会の意気込みが示されたところであります。 そこで、その九州府構想を論ずるに当たり、まず、現在進められている県の権限移譲プログラムについてお伺いいたします。 第一点、伊藤知事は、内閣府地方分権改革推進会議事務局長を歴任するなど、道州制についての論客であられます。その知事の旗振りで昨年策定された県の権限移譲プログラムのねらいを当局はどうとらえているかお聞かせください。 第二点、県からの権限移譲を受けて立つ本市のスタンスはどうか。また、課題はどのようなものがあるかお聞かせください。 第三点、平成十七年度の県との協議経緯及び結果についてお示しください。 第四点、平成十八年度の当局の作業内容はどういう状況か。また、今後の県との協議等スケジュールはどうなっているか。来年度以降の予定も含めてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 県の権限移譲プログラムにつきましては、分権型社会においては住民に最も身近な自治体である市町村が充実し、県と相互に補いながら住民の福祉の向上に取り組むことが不可欠であること。特に、県内の市町村合併の進展により市町村の規模、能力が拡大し、新たに誕生した十万都市などに対しては思い切った権限移譲を進め、地域の中核となる都市づくりを進めていきたいといったこと。こうしたことから、県としては、検討プログラムを策定されたところでございます。 次に、県からの権限移譲につきましては、単なる事務処理の移譲ではなく、真の市民サービスの向上が図られることや、自己決定、自己責任の原則に立った自主的で自立的なまちづくりを進めていくために必要な権限移譲がなされることが必要不可欠であると考えております。また、課題といたしましては、地方分権の基盤を財政面から確立することが不可欠でありますことから、事務に伴う税財源の確実な移譲が必要であると考えております。 次に、平成十七年度につきましては、昨年七月の権限移譲プログラム策定後、県と市の事務担当部署間の協議や本市の庁内組織である地方分権連絡会での検討を経て、農地の権利移動の許可、農地転用の許可、農業会議への意見聴取等、これが一つでございます。もう一つは、第一種指定化学物質の排出量及び移動量に関する届け出の提出、意見の付与等、この二項目につきまして権限移譲を受けることとしたところであり、本年四月より権限移譲がなされております。 次に、本年度につきましては、県から、昨年度と同様の権限移譲事務及び市町村が希望する新たな移譲事務について照会があったところでございます。本市におきましても、これを受け、現在関係部局において移譲希望の有無について検討しているところでございます。 本年度以降のスケジュールにつきまして、県とされては、希望のあった項目の十九年四月からの権限移譲に向けて、権限移譲交付金の額を試算するなどし、市町村との協議を進めるとともに、これまでの権限移譲の状況等を踏まえ、プログラムの見直しや進め方等について検討することとしているとのことでございます。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 私もプログラムを拝見いたしましたが、県のねらいは、このたびの市町村合併により誕生した薩摩川内市、霧島市、鹿屋市の三つの十万都市を中心に思い切った権限移譲を進めることで、県都鹿児島市を核としたネットワーク型の均衡ある県土の形成を目指すものであることが理解できます。しかし、現実には、答弁にもありましたように、権限移譲による事務量の増加に伴う確実な税財源の移譲などの課題がハードルとなって、やや難航しているのが現状のようであります。 県においては、今後、権限移譲の進展状況を踏まえ、プログラムの見直しや進め方等について検討するとのことでありますので、県からの権限移譲の延長線上にあるであろう道州制を見据えた場合、本市としては、県に対して基礎自治体としての意見を言うべきははっきり言うとのスタンスで協議に臨んでいただきたいと思います。 さて、私は、今月四日に福岡市で開催された道州制をテーマとした内閣府主催のタウンミーティングに参加してまいりました。これには竹中総務大臣が出席され、会場からの質問者十五人のうち半数以上が西日本各地の公務員という、公務員人気のタウンミーティングでありました。テーマが道州制ということもあり、地方で働く公務員にとっては、都道府県制の廃止を前提とした議論だけに切実な問題でもあります。また、議論の中では、道州制実現に向けた九州の経済界等の先駆的取り組みを評する場面もありました。九州市長会の取り組みも、その流れに呼応するものとして位置づけられるのではと思います。 そこで、九州市長会がまとめた九州府構想骨子について以下伺ってまいります。 第一点、全国に先駆けて、道州制の九州モデル実現を目指して九州市長会がまとめられた十年後の九州府実現を柱とする九州府構想骨子とはどのようなものか、概要をお示しください。 第二点、広域自治体としての都道府県制が廃止され九州府が実現した場合、国及び基礎自治体を含めてそれぞれの役割はどのようになるのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) 本年五月にまとめられた九州府構想骨子につきましては、九州市長会に設置された九州における道州制等のあり方研究委員会において、地方分権時代の九州における基礎自治体と広域自治体のあり方及びアジアにおける九州の役割について調査研究するとともに、自主自立した九州府構想の実現に向けた道州制等の導入について、その考え方を取りまとめたものでございます。 骨子における国、九州府及び基礎自治体の役割といたしましては、国は外交や安全保障といった国家の存続にかかわる政策、金融や通貨など全国的に統一すべき基本ルールに関する事務、社会保障や生活保護などナショナルミニマムの確立等に関する事務などを担うこととし、九州府は、九州地域全体の発展に必要な基幹的な交通基盤整備や国土保全管理、観光振興や広域的な産業振興、雇用創出、九州全体の経営戦略確立と実践など、基礎自治体は、保健、福祉、教育、環境、地域のまちづくりなど住民生活に直結した事務などを行うこととされております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 私も骨子を読ませていただきましたが、アジアとの関係、特に東アジア諸国との経済、観光、学術、文化交流に対して九州全体が持つポテンシャルを生かした一体的かつ総合的な取り組みの必要性がうたわれるなど、新たな広域自治体となる九州府のダイナミックな展開が感じられる反面、九州府と基礎自治体、九州府と国の関係はどうなるのか。特に、九州府が実現したときの本市の姿はどうなっているのか考えるとき、県の権限移譲が途上の現在ではイメージしにくいのが実感であります。 そこで以下お伺いいたします。 第一点、地方分権改革の終着点の一つの形として道州制が導入される方向であることは理解いたしますが、市民不在の議論になっては本末転倒であります。市民の目線から見た九州府実現のメリット・デメリットについてお示しください。 第二点、森市長にお伺いいたします。 森市長は、九州府構想骨子案をつくられた九州市長会の九州における道州制等のあり方研究委員会のメンバーの一人であり、現在は九州市長会の副会長という要職にあられます。月刊誌財界九州六月号での市長へのインタビュー記事を拝見いたしましたが、記事には、「政令指定都市についても合併によって大きくなった各周辺市町とも検討論議をしていかなければならない課題だと思っている」等の踏み込んだ発言もあり、真に九州府実現を目指すお立場から現実的な課題等について言及しておられるように感じました。骨子には十年先の実現を目指すとありますが、十年はあっという間であります。九州府実現が本市にとって、市民にとってプラスなものであってほしいわけでありますが、現段階での九州府構想実現に臨む森市長の抱負をお聞かせください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 崎元ひろのり議員にお答えいたします。 道州制が導入された場合、基礎的自治体である市町村は、地域においてこれまで以上に重要な役割と責任を担っていかなければならないと考えております。したがいまして、道州制につきましては、九州市長会などの場で市町村がイニシアチブをとって議論を行い、その意見を国や県に伝えまして、それを反映させてもらうことが非常に重要であると考えております。 また、道州制の導入は、国と地方のあり方としては明治以来の大変革であり、単に行政の構造だけではなく市民生活にも大変大きな影響を及ぼすことから、道州制の意義やその及ぼす影響、メリット・デメリットなど、市民や経済界等にも十分に説明をし、官民一体となって議論を進めていかなければならないと考えております。 ◎企画部長(新地茂樹君) 九州府が実現した場合のメリットといたしましては、国、広域自治体、基礎自治体の役割の明確化により行政運営の簡素化・効率化が図られること、権限、税財源移譲を図ることにより、地域の実情に応じた自立的、自主的なまちづくりが可能になること、各地に散在する観光資源の連携や、各県が独自に保有している知識・技能の集積など広域化や重点化の幅が広がり、これまで以上の効果が期待できることなどが上げられているようでございます。 一方で、道州制が導入された場合の道州間の税財源の偏在調整をどうするか、小規模な基礎自治体において懸念されるサービスの低下をどのように補完していくかなど、今後さらに検討を進めていかなければならない課題もあると考えております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 九州府実現の場合のメリット・デメリットについてお示しいただきましたが、国の形、お役所の形を時代に合わせて見直していくことは重要なことであります。しかし、皆その見直しの出発点が、過去の財政の見通しの甘さから、借金体質をぬぐい去れなかった国及び地方自治体のツケを解消することにも大きく起因しているだけに、道州制の議論は、現実の厳しい財政状況を踏まえながらも、もっと市民一人一人にとって将来に向けた明るいビジョンをつくり上げ、示していく必要を強く感じます。 そういう意味で、森市長の御答弁にありましたように、道州制が導入された場合、今まで以上に重要な役割と責任を担うべき本市など基礎自治体が地域をリードし、市民への十分な情報提供のもと官民一体となった議論を進め、そこでの意見を九州市長会などの場で集約調整し、市長会がイニシアチブをとって道州制を議論し、その意見を国や県と連携する中で、しっかりと反映させてもらうことが大切であると同感いたします。 インタビューの最後で「福岡と鹿児島という九州の南北の基軸が確立し、そこに背骨がびしっと通ることで九州アイランドとして大いにアピールできることになろう」との森市長の明るい展望に期待をしつつ、市民の力、民間の力を生かしたまちづくりを市政運営の基本とされる森市長の、九州府実現に臨むかじ取りを見守っていきたいと思います。 新しい質問に入ります。 桜島爆発対策について、特に爆発に伴う地震対策について伺ってまいります。 まず初めに、六十年ぶりの昭和火口噴火についてでありますが、この件につきましては、先日の本会議における先輩議員の質疑において、火山活動の状況や災害予防の対策などが明らかにされましたので、私の方からは次の二点に絞ってお伺いいたします。 第一点、今回の昭和火口の噴火活動に対する専門家の分析についてでありますが、京都大学火山活動研究センターは、今後の見通しを含めてどのように分析しておられるのかお聞かせください。 第二点、今後の活動が危惧されるところでありますが、各機関の観測体制は、どのようになっているのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) お答えいたします。 京都大学火山活動研究センターの分析によりますと、今回の噴火は、姶良カルデラに蓄積しつつあるマグマが出口を模索している活動の一端であるが、桜島の地下に多量に上昇、貫入していることを示唆する事実は認められない。また、今後においては、一九七〇年代から八〇年代のような山頂噴火の激化を初めとする幾とおりかの噴火様式と規模が考えられ、火山活動の活発化がこの先どのように変化するかを現時点で予測することは困難であるが、これまでの例からしても、予兆なしに一気に大きな噴火発生に至ることは考えにくいとのことでございます。 次に、観測体制でございますが、気象台におきましては、現在、地震計、空振計、GPSなどにより火山活動の監視・観測を行っており、今後、桜島に地震計を二カ所、GPS観測点を三カ所新たに設置する予定であると伺っております。また、京都大学火山活動研究センターにおきましては、地震計、GPSなどのほかハルタ山の観測トンネルに伸縮計などを設置して観測を行っているところでございます。 なお、今後、大隅河川国道事務所におきましては、新たに有村地区の観測トンネルでハルタ山と同様の観測を行っていく予定であると伺っております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 京都大学火山活動研究センターの分析によりますと、今回の噴火は、姶良カルデラの地下に蓄積しつつあるマグマが出口を模索している活動の一端であるとのことであります。これまでの南岳山頂に連なるマグマの通路がほぼ閉塞状態にあるのではとの見方も伝わっているところです。 次に、市民の防災意識の向上に向けた最近の新たな取り組みについてお伺いいたします。 当局は、これまで桜島爆発対策を含む防災面でのさまざまな取り組みをしてこられましたが、合併後、桜島の全域が本市に位置づけられたこと等を受け、市民の防災意識の向上に向けた新たな取り組みがあれば具体的にお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 市民の防災意識向上に向けた新たな取り組みでございますが、毎年一月に実施しております桜島火山総合防災訓練を、ことしは全市的な住民参加型とするため、市街地側の自主防災組織や小学校等の参加をいただいて実施したところでございます。また、本年三月に桜島火山防災マップを作成し、桜島の全世帯に配布をいたしました。 このほか、市民のひろば安心安全特集号に姶良カルデラの地盤の昇降について掲載するとともに、五月には、京都大学の教授を講師として桜島地域で防災研修会を開催するなど、市民の防災意識の向上に努めたところでございます。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 市民の防災意識の向上に向けた取り組みについては、引き続きその効果等を検証しながら着実に実施していっていただきたいと思います。 次に、本市地域防災計画震災対策編について伺ってまいります。 まず、本市地域防災計画震災対策編においては、複数の地震を想定して検討しておられますが、想定する場合、地震が現実に起こり得る可能性をどのように把握された上で設定しておられるのか。鹿児島湾直下想定地震の場合を中心にその考え方についてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 本市の地域防災計画におきましては、鹿児島県が平成七年から八年にかけて実施した地震被害予測調査に基づき、過去に被害の発生した地震などを参考に県内において五カ所の地震を想定しております。このうち、鹿児島湾直下想定地震につきましては、大正三年の桜島の大爆発に伴う地震がその根拠となっているところでございます。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 想定地震のうち鹿児島湾直下想定地震については、大正三年の桜島の大爆発に伴う地震がその根拠となっているようですが、国の地震調査委員会による大正三年の大地震発生に対する見解を、昨年の第二回定例会の私の質問に対する当局の答弁の中でお示しいただいた経緯があります。 その中で、震源の位置から鹿児島湾西縁断層が動いた可能性もあるとありました。その後、県が平成十年前後に学識者等から成る調査検討委員会を設置して調査報告をまとめた文献を見る機会があり、その中の鹿児島湾西縁断層に関する調査結果のまとめの項を見ますと、「鹿児島湾西縁断層が存在するとしても、少なくとも中期更新世以降における活動はなく」とあり、少なくともここ十万年間は活動が見られないとの報告がなされております。 このことから、震源の位置から鹿児島湾西縁断層が動いた可能性もあると示された国の地震調査委員会の見解と矛盾が生じることから、ここで改めて国の見解を再確認し、明らかにしておきたいと思います。このことに対する国の調査委員会の見解をお聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 大正三年爆発時の大地震に関する国の地震調査委員会の平成十一年の調査報告文献によりますと、鹿児島湾西縁断層が動いた可能性もあるという記述がございますが、同委員会に確認しましたところ、この記述は西縁断層は活断層ではないという県の調査結果を踏まえていないことから、削除すべきであるとのことでございました。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 地震調査委員会が先ほどの矛盾に対する指摘を素直にお認めになり、鹿児島湾西縁断層が動いた可能性もあるという記述は削除すべきであるとの回答には、何か拍子抜けの感がいたします。専門家でない私が言うのも僣越ではありますが、桜島の大爆発に伴う大地震に対する分析という点では、今回の件は何でも断層と結びつけようとする傾向と火山性地震の研究の難しさを露呈した結果であると受けとめておきます。残念ながら国の調査委員会からは、活断層型地震や海溝型地震を中心にした警鐘しか鳴らしていただけないのが現状であります。 昨年、国から今後三十年以内に震度六弱以上の地震が発生する確率がホームページ等で公表されておりますが、鹿児島市での発生確率は数%しか予測されておりませんが、この件につきましては、同じく昨年の第二回定例会の私の質問に対する当局の答弁の中で明らかにしていただいたように、そもそもこの確率予測には、大正三年の桜島の大爆発後に起きたマグニチュード七・一、震度六弱相当の大地震が今後も起こり得るかどうかは全く織り込まれていない状況であります。したがって、鹿児島市民にとっては、地震環境を把握する上で正確な情報提供となっていないのが事実であります。 そのことを踏まえて、引き続きお伺いいたします。 第一点、被害想定をする場合のシミュレーションの手法についてわかりやすくお示しください。 第二点、鹿児島湾直下想定地震による被害想定の結果について、人的被害のうち死者数、負傷者数を、また、建物被害のうち全壊棟数及び半壊棟数をそれぞれお示しください。 第三点、政令指定都市を除き国内でも比較的人口の集中する中核市地域のうち、どの程度が地震防災対策強化地域・推進地域等の国が地震対策を推進するゾーンに入っているか、その対象地域に存在する中核市数をお示しください。 第四点、本市の被害想定がどの程度のものか把握するため、他中核市の地域防災計画上の被害想定についてお伺いいたしますが、被害想定における人的被害のうち、死者数が一千人を超える中核市数をお示しください。あわせて、本市の場合の死者数が中核市の中でどのランクに位置するのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 地震の被害想定の予測手法でございますが、県の地震被害予測調査報告書によりますと、過去に被害が発生している地震データなどをもとに、建物被害につきましては、地震動、液状化、斜面崩壊の、人的被害につきましては、建物の倒壊・焼失、斜面崩壊、津波のそれぞれの予測結果等から想定いたしております。 また、被害想定の内容でございますが、鹿児島湾直下想定地震の場合の本市における人的被害につきましては、死者一千二百七十二人、負傷者五千二百九十人で、建物被害につきましては、全壊八千六百九棟、半壊三万一千六十一棟となっております。 次に、中核市の地域防災計画についての調査結果によりますと、東海地震や東南海地震などに対して、国が指定している地震防災対策強化地域・推進地域の対象区域にある中核市は二十四市でございます。 人的被害として死者一千人以上を想定している中核市は十一市で、本市は七番目でございます。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 本市における被害想定については、人的被害のうち死者数が約一千三百人、建物の全壊棟数が約八千六百棟であります。繰り返しになりますが、本市は九十二年前の大正三年に震度六弱相当の地震を経験しております。その引き金になったと考えられる桜島の大爆発のときのマグマの大量放出の後、この九十年をかけて徐々に再び蓄積され、京都大学火山活動研究センターの石原教授によりますと、大正の大爆発時のマグマの状態の約八割程度まで蓄積されているとされ、あと十年から二十年でマグマは大正大噴火時並みになるとのことであります。したがって、大正三年と同じマグマの状況があと十年から二十年でつくられることを念頭に入れると、爆発が即地震に結びつくとは限りませんが、本市において地震災害対策を強化することは意味があることと言えます。 中核市三十六市のうち二十四市が地震防災対策強化地域等のゾーン内に入り、耐震化の施策を強化している状況があります。本市は地震防災対策強化地域等のゾーン内には位置しませんが、被害想定における死者数は、中核市三十六市のうちワースト七位と非常に大きな被害が想定される都市に位置づけられています。 次に、防災拠点となる市役所本庁舎の整備方針についてお伺いいたします。 本市地域防災計画震災対策編の耐震化の推進の項には、防災拠点となる公共施設等の耐震改修、安全化、公共施設等の重点的な耐震診断・改修の実施がうたわれており、その筆頭に市庁舎が上げられております。しかし、市庁舎の中でも市民課を初め市民が毎日多く訪れるこの別館は、いまだに耐震診断すら行われていない状況であります。これらのことを踏まえ、大地震の際、防災拠点ともなる市役所本庁舎の整備をどのように考えておられるのか、方針をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) お答えいたします。 本庁舎につきましては、これまでもさまざまな課題について対応を図ってきたところでございますが、本年度は、庁内におきまして別館の建てかえ等に関する基本方針について検討をいたしているところでございます。 今後、本庁舎全体のあり方を含め、一定の方向性を見出せるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 本年度は、庁内において別館の建てかえ等について検討が始まっている模様であります。本庁舎全体のあり方を検討する上でも、耐震性に課題を残す別館の耐震診断を実施し、その耐震性を把握することが、全体の方向性を見出す上でも第一歩であると思います。 土地の活用策の検討と並行しながら、まずは耐震診断により別館の耐震性を把握し、耐震性が全くないことから建てかえになるのか、ある程度の耐震補強で済むのか、あるいは技術的には耐震補強で済むが将来の本市の行政需要の増大等に備えて建てかえを選択するのか。このように条件を絞り込んでいくためにも早急に耐震診断を実施し、防災拠点としての機能を備えた地震に強い本庁舎の整備に取り組んでいただきますよう要望しておきます。 次に、民間建築物の耐震化の促進についてお伺いいたします。 第一点、中核市において、民間建築物の耐震診断及び耐震改修に係る費用の助成制度を導入している割合を、導入市数を上げてそれぞれお示しください。 第二点、耐震改修促進法が国内の地震対策を強化する方向で改正され、本年一月に施行されました。この法改正により、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、現状の約七五%を平成二十七年までに今後十年間で少なくとも九割にすることがうたい込まれており、可能な限りすべての市町村において、耐震改修促進計画が策定されることが望ましいとされているところであります。 そこで、本市における耐震改修促進計画の策定に向けて、今後どのような内容について検討し、どういうスケジュールで作業を進めていくおつもりかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 中核市三十六都市における耐震診断及び耐震改修費用の助成制度の導入状況でございますが、耐震診断につきましては、船橋市、東大阪市、宮崎市など二十三都市で約六四%が、耐震改修につきましては、横須賀市、高知市、長崎市など十七都市で約四七%が導入いたしております。 次に、耐震改修促進法に基づく本市の耐震改修促進計画策定でございますが、改正されました耐震改修促進法においては、国が示した基本的な方針と県耐震改修促進計画の内容を勘案しつつ、特に特定行政庁においては、耐震改修促進計画を定めるよう努めるとされたところでございます。内容といたしましては、市としての地域状況を踏まえた中で、地震防災マップの作成、耐震化すべき建築物の優先度や重点区域の設定、耐震促進に向けた地域住民との連携策などでございます。 本市といたしましては、県の耐震改修促進計画との連携を図る必要があることから、今後とも県との協議を行うとともに、計画策定に向けて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 中核市のうち耐震診断に対する助成制度は、宮崎市など二十三都市、約六四%もの導入率であり、耐震改修工事に対する助成制度は長崎市など十七都市で約半分の四七%の導入率であります。 この質問の最後に森市長にお伺いいたします。 これまで質問で明らかにしてきたように、本市が九十二年前の大正三年に経験した大地震と桜島の大爆発との関係をしっかりと認識することが、本市として防災対策の一環である地震に対する施策を構築する上で極めて重要なことであります。また、国が示す地震可能性に関する情報には、桜島のことが織り込まれていない現状があります。だからこそ森市長には、桜島を抱える自治体の長として、桜島が引き起こす地震の可能性をしっかりと認識していただきたいと思いますが、この件についてどうとらえておられるか。 また、本市においても耐震改修促進計画を今後策定する上で、民間建築物等の耐震化の促進に向け、耐震診断への助成制度の導入など具体的取り組みを検討すべきときに来ていると思われます。これまで以上に耐震化の施策を強化すべきと思いますが、その必要性についての森市長の所見をお聞かせください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 近年、平成十六年十月の新潟県中越地震、十七年三月の福岡県西方沖地震、十八年五月のジャワ島中部地震など国内外で大地震が多発しており、特に福岡の地震は、これまで大地震が想定されていなかった地域で発生をいたしております。 私は、このような地震災害の脅威を再認識するとともに、同じような大地震は、全国どこでも起こり得るものと考えております。また、本市におきましても、桜島の爆発に伴う地震発生の可能性を専門家が指摘しているところでございます。 私といたしましても、安心安全なまちづくりの観点から、地震時における建築物の倒壊・焼失等の災害の防止対策を推進をするため、今般改定された耐震改修促進法に基づき、建築物等の耐震化対策に向けた取り組みについて検討してまいりたいと考えているところでございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 森市長からは、建築物等の耐震化対策について前向きな答弁をいただきました。 私も幼少のころより桜島を見て育ち、多くの方々と同じように桜島をこよなく愛する市民の一人であります。そして、できれば大爆発も大地震も経験したくはありません。しかし、桜島から受ける美しい景観や温泉等の恩恵とは裏腹に、桜島が世界でも第一級の活火山である限り、いつかは大爆発を起こし、地震も引き起こすかもしれません。そこに住む我々は、桜島と共存していくためにも、もしものときの被害を最小限にする努力をすべきであると思います。 マグマが大正の大爆発並みに蓄積されつつあることから、今回の六十年ぶりの昭和火口からの噴火を桜島からの何らかのサインととらえて、ぜひ森市長の代に官民一体となった本格的な耐震化の施策に着手していただきますよう要望いたしておきます。 新しい質問に入ります。 福祉有償運送について伺ってまいります。 この件につきましては、当局の適切な取り組みにより、本年三月末に、本市において運輸支局の許可を得る形での福祉有償運送がスタートしたばかりでありますが、昨日閉会した通常国会において新たに関係法令の改正が行われ、今年度中にも、福祉有償運送に関する法的な取り扱いが改めて見直される方向となっている状況であります。サービスの利用者からは、「やっと会員として正式登録されたばかりなのに今後はどう変わるのか」「セダン型等の一般車両での有償運送の取り扱いはどうなるのか」等の声が寄せられておりますので、福祉有償運送の現状及び今後の動向についてお伺いしてまいります。 まず、本市における福祉有償運送の現状についてお伺いいたします。 第一点、運輸支局から許可を取得した事業所の数はどうなっているか。 第二点、許可を受けた事業所に対して、会員登録をした障害者等のサービス利用者の数はどうなっているか。 第三点、本市において運輸支局の許可を得た福祉有償運送がスタートして二月以上経過いたしますが、当局は課題をどのようにとらえているのか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 運輸支局の許可を得た事業所の数でございますが、現在、六事業所となっております。また、利用会員の登録総数は、本年四月末現在で二百七十四人となっております。 課題といたしましては、日々安全運行を実施するための運転者及び車両の適切な配置、事故または苦情があった場合の迅速な処理、連絡、報告体制の確立などがあると考えております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 本市における四月末現在のサービス利用者数は、六事業所の合計で二百七十四人とのこと。また、課題としては、安全運行に関する面や事故時の対応など連絡、報告体制の確立といった点が挙げられるようです。 次に、本市福祉有償運送運営協議会についてお伺いいたします。 現在、運輸支局の許可の前提となる事前審査のような位置づけで、タクシー業界、障害者団体等の関係者から成る本市主宰の運営協議会で福祉有償運送を希望する事業所の業態等の審査を行っている現状があります。 そこで以下お伺いいたします。 第一点、当該運営協議会の本年度の協議状況はどのようなものか。先に許可を受けた事業所の状況や新たに申請の意向を持つ事業所の動向についてお示しください。 第二点、当該運営協議会の今後の開催スケジュールについてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 本年度、第一回の運営協議会では、車両の増を申請した三事業所のほか、新規参入を希望する四事業所の申請について審査をいたしました。また、既に許可を受けている六事業所につきましては、利用会員の登録変更及び運行状況についての報告を行ったところでございます。 次に、今後のスケジュールにつきましては、八月、十一月及び二月に定例会を予定しているほか、一回程度の臨時会を予定しており、新規参入を希望する事業所の審査のほか、各事業所の運行状況等の報告を行う予定としております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 新たに四事業所からの新規参入希望があるようです。この制度に関する情報がさまざまな機会で福祉関係の方々に周知されるにつれ、今後、新規参入者がふえる傾向にあるのではと予想されます。 現行制度においては、従前、本年三月末までを重点指導期間として著しく高額な対価を収受しているもの、または訪問介護の実態に乏しいなど実質的にタクシー事業と同視される事業形態で行っている場合を除き、直ちに介護保険法や道路運送法による行政処分、刑事告発を行うのではなく、業務適正化、許可等の取得に係る指導・啓発を行ってきたわけであります。 しかし、全国的には、ほとんどの自治体で明確な法的位置づけのない運営協議会の設置が進まない現状があること等から、サービス利用者等にとって、より一層安全で安心して利用できる仕組みとするため、道路運送法の一部改正案がさきの通常国会に提出され、先月、可決成立したと伺っております。 そこで、重点指導期間の取り扱いとあわせて今回の法改正の中身について、以下お伺いいたします。 第一点、これまでの許可制から登録制に変わるというのは、どういう背景か。また、既に許可を得た者についてはどういう取り扱いになるのか。 第二点、これまで福祉有償運送許可の実質的な事前審査機関的役割を担ってきた運営協議会は、法改正によりどのような位置づけになるのか。 第三点、運営協議会の権限として、協議の対象として現在取り扱っている福祉有償運送の車両は、車いすやストレッチャー機能を許容するいわゆる福祉車両のみでありましたが、今後、セダン型等の一般車両による福祉有償運送の取り扱いはどのようになるのか。 第四点、今回の道路運送法の改正の施行時期及び本年三月末までとされていた関係者への制度周知等のために設けられた重点指導期間は、いつまで延長されることになっているのか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 道路運送法一部改正後、福祉有償運送はタクシー等の一般旅客自動車運送事業よりも自家輸送に近い性質を有していることから、登録制になることとされております。なお、既に許可を受けている事業所につきましては、法改正後も登録があったものとみなし、事業の実施ができることとされております。 運営協議会の位置づけにつきましては、改正後の政省令等が示されていないことから詳細は不明でございますが、これまでと比較して運営協議会の役割と責任がより明確化されるものと考えております。 次に、セダン型等一般車両での福祉有償運送の取り扱いにつきましては、これまで構造改革特区の申請が必要とされておりましたが、法改正後は全国展開が図られ、運営協議会での協議結果により導入も可能になるものと考えております。 また、改正施行時期につきましては、本年十月一日施行予定とされております。また、これに伴い本年三月末までとされていた重点指導期間につきましても、六カ月延長され本年九月末までとされたところでございます。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 今回の道路運送法の改正は、本年の十月一日施行予定であり、今後、政省令等により細かいルールが示され、周知される期間も含め従来三月末までであった重点指導期間が九月末まで延長される見込みのようであります。 また、セダン型等の一般車両による福祉有償運送については、タクシー営業類似行為、いわゆる白タク行為を防止する上から、運営協議会の構成員であるタクシー業界の方々からの厳しい目による審査が予想されます。福祉有償運送は、要介護者や身体障害者等、単独では公共交通機関を利用することが困難な移動制約者にドア・ツー・ドアの移動を提供する点からも、高齢者や障害者がさまざまな生き方を主体的に選択し、社会活動に参画する上で極めて重要なサービスであると認識いたします。 当局におかれましては、運営協議会の主宰者として利用者の側の視点を大事にしながら、地域の福祉輸送の実態を的確に把握された上で、タクシー業界等関係者の意見調整を行っていただき、安全面等、本市において健全な福祉輸送サービスが提供されるよう引き続き御努力を要望いたしておきます。 次の質問に入ります。 地球温暖化対策について伺ってまいります。 昨年二月に京都議定書が発効され、国を挙げて官民一体となった地球温暖化対策が強く望まれている状況にあります。そこで、本市においても今回新たな取り組みとして、仮称鹿児島市地球温暖化対策地域推進計画を策定されることから、以下伺います。 第一点、当該計画策定の目的及び施策上の位置づけはどのようになっているかお示しください。 第二点、当該計画の策定作業に当たり、審議会等の人的体制、市民意見の反映方法、現状の環境施策と整合を持たせるための整理など、どのような進め方をしていかれるおつもりかスケジュールとあわせてお聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 地球温暖化の防止につきましては、環境基本条例の施策の基本方針や環境基本計画の基本目標の一つに掲げ、市の施策や市民・事業者の取り組みを推進してきております。 地球温暖化対策地域推進計画は、昨年二月に京都議定書が発効し、国において京都議定書目標達成計画が策定されたことを踏まえ、市域内における温室効果ガスの排出削減目標などを盛り込み、市民・事業者と一体となって温室効果ガスの削減対策をより具体的に進めていくことにより、地域から地球温暖化の防止に貢献していくことを目的としております。 次に、本計画の策定に当たっては、環境審議会に諮問を行ったところであり、審議会では、専門的に調査審議するために、審議会委員七名と専門員三名から成る地球温暖化対策専門部会を新たに設置されたところでございます。 また、庁内では、環境政策推進会議において、本計画の策定内容について協議を行うこととしております。これまで取り組んでおります環境基本計画に基づく施策につきましては、温室効果ガス排出抑制対策を検討する際に整理を行うとともに、新たな施策についても検討してまいります。さらに、市民の意見を計画に反映させるために今年十二月にパブリックコメントを実施し、審議会からの答申を受け十八年度中の策定を目指してまいります。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 策定される計画がより実効あるものとなるためには、計画段階から、市民・事業者と一体となった取り組みが不可欠であり、計画の実現性とともに、市民に対して透明性の高い内容となるよう要望いたしておきます。 次に、ESCO事業の導入についてお伺いいたします。 昨年の第二回定例会における私の同様の質問に対し、「この事業は省エネルギー実現のための有効な手段の一つであると考えている。導入に当たっては、省エネルギーの手法、削減効果、事業採算性などの可能性調査をすることが必要であることから、さらに研究してまいりたい」との局長答弁でありました。 ESCO事業は、省エネルギーを企業活動として行い、顧客にエネルギーサービスを包括的に提供するビジネスであり、それまでの環境を損なうことなく省エネルギー改修を実現し、その結果得られる省エネルギー効果を保証し、省エネの効果とともに顧客のコスト削減も実現するものであり、京都議定書目標達成計画にも国が全省庁でESCO事業導入の実現可能性調査を実施し、可能な限り幅広く導入すると位置づけられた経費節減と温暖化対策に有効な省エネ手法であります。 そこで以下お伺いいたします。 第一点、本県や他都市におけるESCO事業の導入状況及び事業導入の成果をどのように研究把握しておられるのかお示しください。 第二点、本市でのESCO事業導入に対する見解を改めてお聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 ESCO事業の導入についてでございますが、鹿児島県におかれましては、今年度中に歴史資料センター黎明館へ導入すると伺っております。 事業者の提案は、年間のエネルギー削減率及び二酸化炭素削減率が二割程度、光熱水費削減額が一千七百万円程度となっているようでございます。他都市におきましては、中核市の長野市が今年度中に長野運動公園総合運動場へ導入することとしており、エネルギー削減率及び二酸化炭素削減率を二割から三割、光熱水費削減額を三千万円程度と見込んでいるとのことでございます。 ESCO事業は、温室効果ガス排出抑制対策としまして、省エネルギー実現のための有効な手段の一つであると考えておりますことから、本市への事業導入につきましては、地球温暖化対策地域推進計画を策定する中で検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [崎元ひろのり議員 登壇] ◆(崎元ひろのり議員) 答弁いただきました。 ESCO事業導入予定の先進事例となる県の黎明館、長野市の総合運動場のケースでは、年間のエネルギー削減率及びCO2削減率が二割から三割と大きな見込みであり、経費の削減も一千七百万円から三千万円と大きな効果が期待されているようであり、行財政改革の観点からも現実的な歳出削減策の有効な手段であると思われます。 答弁でもいただきましたように、本市での導入に当たっては、地球温暖化対策地域推進計画を策定する中で、本年度検討していただけるということでありますので、今後、庁内の環境政策推進会議等において環境局を中心に建設局等との横の連携を密にしながら、まずはESCO事業の導入可能性調査の実施を前提として先進事例等の調査を通して知見を深めていただき、専門家の御意見もいただきながら前向きに検討していただきますよう強く要望申し上げて、私の個人質問のすべてを終了いたします。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、崎元ひろのり議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 後 三時  二分 休 憩            ─────────────────              午 後 三時三十三分 開 議 ○議長(赤崎正剛君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、井上 剛議員。   [井上 剛議員 登壇](拍手) ◆(井上剛議員) 平成十八年第二回鹿児島市議会定例会に当たり、私は市政クラブの一員として個人質疑を行ってまいります。なお、割愛したり、順番を入れかえる項目もあると思いますので、御了承ください。 まず、コンパクトシティーづくりについてお尋ねします。 本市は、九州新幹線の一部開業により行き交う人々が増加し、若干の活気を取り戻したと言われています。森市長も市長選挙における郷土のオリジナリティーを生かした国際観光都市づくりに基づき、国際観光都市づくりを積極的に推進されており、観光未来戦略を策定し、各種施策を展開されるなど、九州新幹線開業を契機とした新しい鹿児島のまちづくりに奔走されていることに敬意を表します。特に、私もこれまで生きてきた中でオリジナリティーつまり「らしさ」は、人にとっても町にとってもとても大切なことだと痛感しており、森市長が市長選挙のときにオリジナリティーを掲げておられたことに、今さらながら敬意を表したいと思います。 このような中、昨今報道され、市民の関心が高まっているように、本市において大型商業施設が相次いで進出予定となっており、このことが森市長の目指す本市のまちづくりとどのように関連するのか、今後の対応も含め大いに注目されます。 今回の大型商業施設の進出に関しては、立場や興味・関心によって、市民の間では、その功罪について意見が拮抗していると感じています。消費者の選択の自由がふえる、あるいは雇用や消費の増加により行政の税収もふえるといったメリット。一方、既存の商店街の事業者にとっては売り上げの減少につながり死活問題となること、高齢者や交通手段のない、いわゆる交通弱者にとっては不便な地域構造となること、既存の商店街で空き店舗がふえ、事実上ゴーストタウン化してしまうことなどのデメリットも語られております。今まさに期待と不安が入りまじった状態で、この秋からの大型商業施設の進出を迎えようとしている状況です。 このことは、私たちのまちづくりにとって、特に長い目で将来にわたり市民にどのような影響があり、そのことをどう考えるのか、どのように対応する必要があるのか、いま一度しっかり精査しなければならないという思いで今回質問させていただきます。これまでの本会議等における先輩・同僚議員の質疑と重なる部分もありますが、それらを含め改めて質問させていただきます。 そこでまず、本市における大型商業施設の進出に関連して、以下お尋ねします。 第一、近年本市において、大型商業施設の進出及びその計画が目立っています。その理由と背景についてお示しください。また、進出の経過と計画、さらにそのことによる中心市街地への予想される影響を当局としてどのようにとらえているものか、見解をお示しください。 第二、大型商業施設の進出に対する本市及び県への市民及び各種団体からの要望書が提出されていますが、その要望と回答の内容についてお示しください。 第三、見直しされたまちづくり三法の施行前に、現在の大型商業施設の進出の計画をとどめることは、もはや難しいのか。もしできないとすればなぜか。当局の見解をお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 本市において大規模商業施設の進出及びその計画が相次いでいるのは、総小売業に占める大規模小売店舗の比率が小さいことや、課題であった低未利用地の有効利用の促進や地区の活性化を実現するため、地区計画を併用した用途地域の見直しを行ったことなどがその要因だろうと考えております。 現在、本市が把握している計画は、イオン鹿児島東開ショッピングセンターや仮称宇宿ショッピングセンターなど三件で、いずれもことしに入って、大規模小売店舗立地法に基づく届け出が県になされております。 進出に伴う中心市街地への影響でございますが、既存の小売店や商店街の来客数及び売上高の減少などが懸念されるところでございます。 次に、本市に対し、本年三月末、谷山商工会ほか二団体の連名で量販店出店に対する拒否や商店街事業等に対する施策の強化等を求める要望書が出されたところでございます。本市といたしましては、木材団地等の用途地域の見直しの経緯や大規模小売店舗立地法における小売業の需給調整の禁止について述べるとともに、商業振興の基本的な考え方や具体的な支援策、出店者による地域貢献の取り組みなどについて説明したところでございます。また今月、県に対して、鹿児島県商店街振興組合連合会が、大規模商業施設出店に対するガイドラインの作成や商店街に対する強力な支援などを求める要望書を提出されたところでございます。 大規模小売店舗立地法におきましては、出店に際し、地元市町村は、周辺地域の生活環境の保持の見地からの意見を述べることとされておりますが、地域的な需給調整を行ってはならないことになっております。したがいまして、現行法のもとでは、御指摘の大規模小売店舗の出店を規制することはできないところでございます。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 まず、本市における大規模商業施設が近年その進出が目立つ理由について、マーケット上の点や用途地域の見直しの点をお述べになりました。土地利用の用途地域について深く理解していなかったみずからを反省いたしますが、十二に分けられている地域において、まさか工業地域や準工業地域で大型商業施設が建設できるとは、十分理解していませんでした。都市計画法では、工業地域は主として工業の利便を増進するため定める地域となっていますが、実際は建築基準法で示しているとおり、かなり多くの商業系の建築物が建てられるようになっています。この工業地域は実際は工業・商業地域と名称を変更すべきだとまで感じております。 現在、大店法に基づいて三件の計画が届けられているとのことで、経済局長の指摘どおり既存の商店街の来街者や売上高の減少などが予測されます。そこで、本市へも谷山地区の商店街の方々からの要望書が届けられ回答されていますが、これまでの本市の施策を紹介しているのみで終わっていると感じます。そして、現在の法体系のもとでは地域的な需給調整ができないことから、大型商業施設の出店やむなしとの結論でした。 都市計画法第二条は、都市計画の基本理念として「都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする」と定めていますが、今回の大型商業施設進出は、消費者の選択の自由がふえるというメリットがあるものの、その配置が機能的な都市活動を確保することになるのかどうか、少々疑念を抱きます。 そこで、他都市の動向や中心市街地そのものについて、以下お尋ねします。 第一、大型商業施設進出後の中心市街地に関して、本市の近くであり類似都市とも言える宮崎市や熊本市等他都市の現状及びその動向に対する見解をお示しください。 第二、一般論として中心市街地の意義とあるべき姿を当局はどのようにとらえているものかお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) 宮崎市、熊本市の現状及び動向についてですが、大規模商業施設の進出により、両市において既存商店街の来街者の減少などの影響があったところでございますが、宮崎市においては、中心市街地の六商店街がイベント事業を実施し、にぎわいの創出を図っているようでございます。また、熊本市においても、中心市街地六商店街が郊外型の大規模商業施設にはまねできない独自の都市文化を根づかせることを目指して、町中でのストリートパフォーマンスなどによる魅力づくりに取り組んでいるようでございます。このような取り組みにより、商店街同士の連携が深まっているようでございます。 次に、中心市街地の意義とあるべき姿についてでございますが、中心市街地は、古くから商業、業務などさまざまな機能が集まり、人々の生活や交流の場となり、また、長い歴史の中で独自の文化や伝統をはぐくむなど、その町の活力や個性を代表する顔とも言える場所でございます。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 大型商業施設が進出した後の中心市街地に関して、他都市の事例として、宮崎市、熊本市を取り上げお尋ねしたわけですが、私の質問の仕方がちょっと悪かったようです。影響として両市とも既存商店街の来街者の減少とさらりと述べられておりましたけれども、これが具体的にどう影響したかといいますと、例えば宮崎市においては、昨年五月に郊外にイオン宮崎ショッピングセンターが出店しておりますけれども、宮崎大学の通行量調査によりますと、既存商店街において、イオンの出店前と出店後では一番少ないところで六%の減少、多いところでは三七・五%の減少という通行量調査結果が出ております。また別の調査では、最大四八%減少したとの結果も出ております。 一方、宮崎商工会議所の調査によりますと、ことし一月の既存商店街へのアンケートでは、衣料品、身の回り品、文化品、飲食喫茶の店舗で五〇%前後の店舗の売り上げ減少が、今後の見通しとして六〇%の店舗で売り上げ減少が予測されるとの厳しい結果が報告されています。私も先月宮崎市を訪れましたが、にぎわっているイオンに比べ、中心市街地でのシャッターを閉めた店舗が以前に比べふえていることに驚きを禁じ得ませんでした。 一方、熊本市も今回の熊本市内へのイオンモールの進出については、市長が都市マスタープランにおける土地利用方針との整合性がとれないとして開発不許可としたのを受けて、熊本県も大型店立地に関するガイドラインに基づく事前協議などの手続中止をイオンモールに通告しました。 実は、既に熊本市の周辺では、幾つかの大型商業施設の出店や計画があり、このため熊本市の中心市街地のしにせ百貨店は二期連続の減収、また、中心市街地における通行量は一割減少するなど影響を受けており、これに九州最大規模の商業施設がさらに進出するとなると、大打撃を受けることになるとの危機感から、市街化調整区域における進出をとどめたのが実態のようです。 両市でも中心市街地の活性化が市政の大きなテーマであることに変わりはありません。経済局長が答弁されたとおり、中心市街地は私たちの町の活力や個性を代表する顔であり、このことは今後も十分認識しなければなりません。 そこで、本市の中心市街地について、以下お伺いいたします。 第一、本市の中心市街地の現状と評価、課題について、本市の二つの中心市街地活性化基本計画及び国土交通省の中心市街地再生のためのまちづくりのあり方に関するアドバイザリー会議報告書では、どのようにとらえているものかお示しください。 第二、森市長の重点施策であります国際観光都市づくりにおいて、中心市街地の役割はますます大きくなるものと考えますが、見解をお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) 本市の中心市街地の現状と評価、課題についてでございますが、都心部におきましては、九州新幹線の部分開業や駅ビル開業など都市基盤の整備や商業集積が進んだことにより、中心市街地の利便性が高まり、にぎわいと活気がもたらされているところでございます。一方、谷山地区においては、空き店舗対策事業や谷山地区中小企業振興活性化事業などに取り組み、空き店舗率はほぼ横ばいで推移しているところでございます。 なお、課題といたしましては、それぞれ民間が主体となるまちづくりにつきまして合意形成に時間を要するなど、必ずしも順調でないものがあるところでございます。また、大規模商業施設の立地や町中居住の増加、公共公益施設の集積などにより、本市の中心市街地が活性化している状況を、昨年、国土交通省のアドバイザリー会議において高く評価していただいたところでございます。 次に、本市の中心市街地は、各種商業、業務、サービス等の機能が集積され、また文化施設や公園等の都市施設が整備されるなど、さまざまな高次都市機能が集中し、南九州における政治、経済、文化の中心として本市の発展に大きな役割を果たしてきたところでございます。今後、九州新幹線の全線開業を控え都市間競争が一層激しさを増す中で、本市が国際観光都市としてさらに発展を遂げるためには、中心市街地がこれまで以上に魅力を高めていくことは極めて重要になってくると考えております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 本市の中心市街地の現状と評価、課題については、おおむねお述べになったとおりですが、昨年八月に国土交通省がまとめた報告書には、先輩たちが培ってこられた私たちの町がオリジナリティー、「らしさ」を持ち、高く評価されていることに心から勇気づけられました。本市の中心市街地が、三大都市圏を除く地方都市圏の県庁所在地の中でほぼ唯一商業機能や都市機能、居住機能の各機能で中心性を確保するポテンシャルが高いと評価されているからです。お述べになった大規模商業施設の立地や町中居住の増加、公共公益施設の集積に加え、路面電車と路線バスの公共交通の利便性が高く、また、交通結節点となっており公共交通利用者が多いという分析を忘れてはなりません。この高い評価は、地形的なことも要因ですが、それ以上に中心市街地での各種機能の集積を図ってこられた先輩方の選択と集中政策のおかげだと思います。本市の全国に誇る中心市街地のにぎわい、優越性をさらに伸ばしていくことが、本市に課せられた使命ではないでしょうか。 森市長の重点政策である国際観光都市づくりにおいては、中心市街地に求められる役割はますます大きくなることと思います。実際、先日も大型国際観光船が二隻鹿児島に訪れた際にも、多くの外国人の方々がバスで谷山港から中心市街地に訪れ、町は外国人の方々でにぎわっていました。観光客の方々がまずは町の顔に関心を寄せるのはどの都市でも例外ではありません。森市長の国際観光都市づくりを推進するためにも、中心市街地の活性化が何よりも大切だと思います。 このような中、全国では中心市街地の衰退が進み、結果として生活者が暮らしにくく、魅力に欠け、アクセスしにくい都市構造となっているということが大きな問題となっており、その反省からこれを改善するために国も動き始めました。平成十年、一九九八年から平成十二年、二〇〇〇年までにかけて施行した中心市街地活性化法、改正都市計画法、大規模小売店舗立地法のいわゆるまちづくり三法により、国は全国での中心市街地活性化を図ろうともしてきましたが、中心市街地の衰退が激しくなり、法の役目が十分に果たせないことを反省し、昨日閉会した通常国会において、まちづくり三法の中で都市計画法と中心市街地活性化法を改正し成立させました。改正された中心市街地活性化法は、ことし夏ごろに施行予定で、同じく改正された都市計画法は、来年秋ごろの施行予定となっております。 本市では、これまでまちづくり三法に基づき、都市マスタープランや中心市街地活性化基本計画などを策定し、その総括的な計画として総合計画も策定していると思いますが、今回のまちづくり三法の見直しに伴って、新たな対応を迫られることになりそうです。 そこで、このまちづくり三法見直しに関連して以下お尋ねします。 第一、いわゆるまちづくり三法見直しの背景と理由及びその見直しの主な内容についてお示しください。 第二、まちづくり三法見直しによる本市まちづくりへの影響について、これまでの計画や構想もどうなるかという点も含めてお示しください。また、その影響も踏まえた今後の方針やスケジュールについてもあわせてお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) まちづくり三法の一つである中心市街地活性化法の見直しに関してお答えいたします。 高齢社会の進展や消費生活の変化等に対応した、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを求められていることなどから、中心市街地の都市機能の増進及び経済活力の向上を図り、地域における社会、経済及び文化の発展に重要な役割を担う中心市街地の活性化を推進するため、見直されたところでございます。 見直しの主な内容は、内閣に中心市街地活性化本部を設置し、市町村が作成する基本計画を内閣総理大臣が認定する制度を設けて、意欲的に取り組む市町村を重点的に支援することや、新たに中心市街地活性化協議会を法制化することなどでございます。 次に、本市のまちづくりへの影響でございますが、改正中心市街地活性化法は、六月七日の公布後三カ月以内に施行されますが、法改正の施行により現行の基本計画やTMO構想は、効力が失われるとのことでございます。 新しい基本計画の策定につきましては、改正法の施行後、中心市街地活性化本部から基本方針が示されることとなっておりますので、基本方針の内容の把握に努めながら検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 都市計画法の見直しにつきましては、都市機能の拡散と中心市街地の空洞化の防止を図るとともに、人口減少・超高齢社会に対応したまちづくりを実現するため、所要の改正が行われたところでございます。 主な改正の内容といたしましては、大規模集客施設が立地可能な用途地域の種類を見直すことや、市街化調整区域内の大規模開発を許可できる基準を廃止するとともに、病院や社会福祉施設等の公共公益施設についても開発許可の対象として追加されたことなどが主な内容でございます。 次に、本市のまちづくりへの影響についてでございますが、今回の都市計画法の見直しは、都市の中心的機能を果たす大規模な商業施設や病院、社会福祉施設等の公共公益施設などが郊外部等へ立地することを抑制するものでございます。これまで郊外へ拡散してきた公共公益機能や業務機能、商業機能など都市を構成するさまざまな都市機能を、中心市街地や最寄りの駅周辺など地域の生活拠点へ集約することにより、にぎわいの再生が図られるものと考えております。また、これら日常生活に必要な諸機能が集約されることにより、経済社会の成熟化と人口減少・超高齢社会に対応したコンパクトな市街地を形成する集約型都市構造への転換が進むものと考えております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 まちづくり三法の見直しの背景や理由、見直しの主な内容はよくわかりました。今回の法改正は、人口減少社会と超高齢社会に対応したまちづくりを進めるために、都市の縮小政策への転換、いわゆるコンパクトシティーづくりが求められる内容になっております。また、実質的に中心市街地商店街等の商業活性化が中心の内容から、生活者の視点をも加味し尊重する、質の高い生活空間を尊重する内容へと改正されていることが、公共公益施設の中心部への誘致からうかがえます。まさに商業と生活環境、文化のそれぞれの向上が目的とされているようであります。 この法改正を踏まえ、本市でも新たな対応が求められるわけですが、中心市街地活性化基本計画やTMO構想は効力が失われることから、国の基本指針に沿って早急な対応が必要となります。ただ、今回の改正で幾つかの課題も残されているようです。特に都市計画法においては、市街化調整区域や白地地域において、これまで地権者に限られていた地区計画提案制度の対象を開発業者にも広げる規定を導入したことは一つの課題です。 その提案に基づいた地区計画を市町村が策定し、都市計画決定されれば、市街化調整区域や白地地域でも大規模商業施設等が立地可能となってしまうことが懸念されております。また、一万平方メートル以下の中規模商業施設が規制の対象外となっていることも課題となっておりますが、それでもこれまでの方針とは大きく異なる法の見直し整備であり、拡散型都市から集約型都市への構造転換が求められる時代になっております。 このような中で注目されるのが、中心市街地に都市・商業機能を集積されるコンパクトシティーの考えです。一般的には、住・遊・学・職などのさまざまな機能を都市の中心部に集積することで、中心市街地の活性化、にぎわいを図り、都市の活力増大を図る考え方がコンパクトシティーであり、本市においても今後の大きな課題となると思われますので、以下お尋ねします。 第一、本市の人口及びその構成の将来推計の推移についてお示しください。 第二、コンパクトシティーづくりの背景と意義と本市の見解をお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 本市の将来の人口につきましては、第四次鹿児島市総合計画改訂時の人口フレームの見直しに当たり、コーホート要因法による将来人口の推計を行っており、二〇一〇年の約六十万七千人をピークに人口減少に転じ、二〇二〇年には約六十万人になると推計いたしております。また、人口構成といたしましては、十四歳以下の人口と十五歳から六十四歳までの人口が減少する一方で、六十五歳以上人口が増加する傾向を示しております。 コンパクトシティーにつきましては、地球環境汚染、中心市街地の衰退などを背景に、一九八〇年代末からEUや国連などで提起されてきた都市政策モデルで、我が国においても環境汚染や中心市街地の衰退、さらには地方自治体の財政難、少子高齢社会の到来を背景に、都市の抱えるさまざまな問題を解決するものとして期待されているところでございます。 本市といたしましても、今日、地方都市が抱える諸問題を解決する一つの方策であると考えております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 人口については、本市では二〇一〇年をピークにした人口減少社会及び少子高齢社会への突入が改めてわかりました。 また、コンパクトシティーづくりについては、本市においても諸問題を解決する一つの方策との認識を示されました。全国においては、既に青森市を初め、神戸市、仙台市、金沢市など都市マスタープランや交通計画など各種計画でこのコンパクトシティーの考えを明確にし、施策に取り組んでいるようです。今後は、社会情勢の変化や法改正に伴い、全国でも少しずつ主流の考えになってくるかと思います。 実は私自身、これまでこのコンパクトシティーについては、認識が十分ではなかったと思います。断片的には理解し、政策提言をさせていただいても、総合的には理解していなかった分野でございました。しかし、昨年鹿児島市議会から派遣していただき、九州市議会議長会の欧州視察研修団の一員として渡欧させていただき、認識を大きく変えました。 欧州視察では幾つかの課題がありましたが、その中でドイツのダルムシュタット市を初めとしたコンパクトシティーの取り組みに何より強い印象を受けました。私の中では、コンパクトシティーについては、頭では理解していても心では理解していなかったなと感じざるを得ない体験でした。 ドイツのダルムシュタット市は、ドイツのほぼ中心に位置する人口約十四万人の都市で工業を中心とした都市です。このダルムシュタット市の郊外に、ドイツの有名小売チェーンが売り場面積約六万五千平方メートルの大型商業施設を建設する計画を一九七〇年代初めに発表。ドイツでも日本と同じように郊外型の大型商業施設の進出がふえている現状があるようですが、このことを危惧したダルムシュタット市の都市計画局は、市長及び市議会に事情を説明し、対策の検討に入りました。その対策が中心市街地にある未整備の市有地の提供を条件に、郊外に計画されていた大型商業施設を中心市街地に誘導し、同時に中心部におけるトランジットモール化など交通整備を進め、町の改造を図るという大規模な改革でした。 具体的には、中心市街地の中心にある広場を交差していた国道を地下に開通し、トンネル化するとともに、地下に一時間当たり約百円から百五十円の大駐車場を整備し、駐車台数を大幅にふやしました。このことにより、広場を中心とした中心市街地は歩行者専用の空間となり、歩行者の交通手段となる路面電車と路線バスは、同じ軌道上を走る形で運行され、歩行者の利便性を確保。現在も路面電車は延伸が次々と行われ、郊外からも来やすい状況をつくっておりました。 そして、中心市街地における市有地に建物を建築し、ここに郊外に大型商業施設の建設を予定していた小売チェーンに入居してもらいました。売り場面積は約二万四千平方メートルとなり、当初計画から大幅に抑えることができたそうです。この中心広場の周りに市役所の分室や大学、警察署、五十の専門店が集まるモール形式の建物等を集積し、そのほか文化施設や空間の整備、衣料ファッションビルや上層部における住宅の整備など、中心市街地における町のにぎわいの演出のために努力をされておりました。 国や地域により法や制度や事情が違い、単純比較はできませんが、ただ言えることは、人口十四万の都市としては平日の昼間に中心市街地における人の往来が物すごく多く、特に、高齢者や障害者、ベビーカーを押した若い親たちの姿が数多く見られ、そのにぎわいを肌で感じずにはいられなかったことです。その仕掛けを行政が積極的に行っている姿をかいま見ました。町のにぎわい、中心市街地の活性化について、頭だけでなく初めて心で感じることができる機会を設けていただいたことに、深く感謝を申し上げたいと思いますし、本市の今後のまちづくりの方向性に大きな示唆をいただきました。 そこで、本市でも、実はこれまでも集積の高い中心市街地を形成するなど、結果としてコンパクトシティーづくりを進めていたと思いますが、その優位性を生かしてだれもが容易にアクセス、往来できる中心市街地を形成し、町のにぎわいをこれまで以上に形成することが、国際観光都市を目指す本市にとっても重要だとの認識から以下お伺いいたします。 第一、鹿児島経済同友会が鹿児島市コンパクトシティ構想を策定し、本市にも提案されていますが、この構想に対する本市の見解をお示しください。また、この構想の中で既に実現実施している施策と、今後実施したいあるいはする予定の施策がありましたらお示しください。さらに本市としては、この構想の提案を今後積極的に活用すべきであると考えますが、見解をお示しください。 第二、コンパクトシティ構想の中でも提案されている路面電車の延伸について特にお尋ねしますが、当局としては、この四月に谷山地区路面電車延伸可能性検討結果を公表されましたが、その調査分析結果と方針はさきの質疑で明らかになり、まことに残念な決断でしたけれども、本市全体における今後の市電延伸に対する考え方はどのようになっているものかお示しください。 第三、このコンパクトシティーを担保し、強力に推進するために中心市街地において進出しようとする商業施設を誘致するような取り組みをしてはいかがかと考えますが、見解をお示しください。 第四、空きビル、空きスペース対策及び有効活用のために、東京都千代田区から始まった家守制度を本市中心市街地でも導入すべきだと考えますが、見解をお示しください。 第五、コンパクトシティーという考え方を各種計画にもより明確に反映すべきだと考えますが、見解をお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 商業施設の中心市街地への誘致につきましては、にぎわい創出の効果が期待されるものの、出店可能な土地等の有無、企業の出店方針、中心市街地内での競争の激化などの課題もあるところでございます。 次に、御提案の家守制度は、空きビル、空きスペースの有効活用等につながることが期待されておりますが、ビル等の所有者などを含めまして、民間事業者が主体となってなされるものであると考えております。今後、行政として、民間事業者とどのようなかかわりができるのか研究してまいりたいと考えております。 今回改正された中心市街地活性化法では、中心市街地における公共公益機能、業務機能、商業機能等の多様な都市機能の増進と経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進し、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを目指しております。これらの趣旨を中心市街地の活性化に関連する計画に反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) コンパクトシティーの各種計画への反映についてでございますが、今回改正された都市計画法においても、今後、人口の減少、超高齢社会を迎え、都市の拡大成長から既存ストックの有効活用と都市機能の集約を図り、コンパクトな市街地形成を目指す方向へ、都市政策の理念・制度を転換することが必要であるとされております。このため、都市マスタープランの見直しに当たりましては、都市計画法改正の趣旨を踏まえ検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎企画部長(新地茂樹君) 鹿児島市コンパクトシティ構想は、鹿児島経済同友会が鹿児島大学工学部と共同研究された成果として、昨年三月に発表されたものでございますが、これは地元の経済団体の皆様が、持続的な活力を持った本市の将来像の構築を目指し、本市固有の財産を生かしつつ、住みやすく、魅力にあふれた都市像を提案されたものであると考えております。 次に、鹿児島市コンパクトシティ構想で示された施策等のうち、既に実現・実施しているものにつきましては、新幹線開業を機に交通機関相互の連携を図るために行った鹿児島中央駅前広場の整備、ドルフィンポートへの足湯の設置、交通局における超低床電車、ノンステップバスの導入などがございます。 また、今後、実施予定の施策としては、加治屋町周辺の一角を維新のまち鹿児島の歴史ロードとして整備することや、市道のバリアフリー化の推進などがございます。今後とも、同構想で示された施策等のうち、本市として対応が可能なものにつきましては、引き続き取り組んでいくことになろうかと考えております。 本市における今後の市電延伸の検討につきましては、谷山地区での延伸を断念したところであり、現時点では、新たな地区での路面電車延伸の検討について特に考えていないところでございます。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 私は、今回コンパクトシティーづくりに関する個々の施策について、個別にお尋ねしようかとも思いましたけれども、既に鹿児島経済同友会が策定した鹿児島市コンパクトシティ構想が包括的、体系的に本市のコンパクトシティーについて提案をなさっていらっしゃいますので、尊重して個々の質問は控えさせていただきました。当局としても、この構想に対して、一定の評価をされ既に取り組んでいらっしゃると思いますけれども、今後も可能なものは積極的に取り入れて施策として展開していただきたいと思います。 その中で、本市は全国において数少ない路面電車の走る都市として、その優位性を生かすべきだと思い質問をしましたけれども、新たな地区での路面電車の延伸は検討されないとのことで、コンパクトシティーづくりにおいて路面電車の果たす役割はかなり大きいと思われますので、今後もぜひとも積極的に他地域での検討も進めていただければと要望を申し上げたいと思います。 また、家守制度につきましては、研究されるということでしたけれども、町の魅力を高めるためには、いわゆるタウンマネージャーというものの存在が大きいということも言われております。その一例としての家守制度でございましたけれども、他都市の動向を踏まえ、ぜひとも本市でも御検討いただければなというふうに思っております。 最後に、各種計画へのコンパクトシティー概念の反映につきましては、まちづくり三法改正を踏まえ一定の方向性を示していただきました。今後は、法の手続に従って計画等が策定されると思いますが、ぜひとも鹿児島らしい、鹿児島のオリジナリティーの高い計画策定と施策の展開を行っていただきたいと要望したいと思います。そのために、今年度からでも、ぜひコンパクトシティーに関する官民一体となった研究会や検討委員会を設置してはいかがかと思いますので、御検討をよろしくお願いします。 そこで、これまでの議論を踏まえ、最後に森市長にお尋ねしますが、今後のコンパクトシティーづくりに対する市長の熱意、見解をぜひお聞かせください。 以上、御答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 井上 剛議員にお答えいたします。 我が市が国際観光都市としてさらに発展を遂げるためには、中心市街地がこれまで以上に魅力を高めていくことが極めて重要になってまいります。また、人口減少時代においては、人口増加を前提とした拡大型のまちづくりから、コンパクトな町を目指すという考え方が今後の本市のまちづくりの方向性の一つになるものと考えているところでございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) コンパクトシティーづくりに関して森市長に一定の御理解をいただきましたけれども、まだこれからという感じもお受けいたしましたし、ただやはり、森市長の掲げる国際観光都市づくりにも大きく寄与する政策だと思いますし、市民の生活の質を高める取り組みだと思いますので、ぜひとも思い切った政策展開を進めていただくようお願い申し上げたいと思います。 次に、交通安全対策の充実についてお尋ねします。その中で、まず道路反射鏡設置の充実についてお伺いします。 道路反射鏡は、見通しの悪い道路の交差点等において、歩行者及び運転者の交通の安全を図るために設置されるものであり、本市でも数多く設置されています。また、今でも設置に対して市民要望が多いことと思います。市長も安心安全を大きなテーマとされているということを拝見いたしますけれども、本市の道路反射鏡の設置は、設置基準に基づいて設置されておりますが、現場を通してその基準を再考すべきではないかと感じています。 そこで以下お伺いしますが、市道といわゆる行きどまりの私道路の交差部における本市の道路反射鏡の設置基準とその考え方についてお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 市道と行きどまりの私道路との交差部における道路反射鏡の設置基準といたしましては、私道路の奥の集落が三十戸以上ある場合に私道路から市道への出入り口部に設置することといたしております。これは、通過交通は少なくても一定の利用が見込まれ、事故防止のため交通の安全を確保する必要がある箇所として、これまでの設置箇所等も考慮し三十戸以上を目安としたものでございます。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 本市では、市道と行きどまりの私道路との交差部において、私道路部分に三十戸以上が存在することが、道路反射鏡の設置基準として必要ということで、二十九戸以下の部分には設置不可能となっております。以前、この行きどまり道路についても、福岡県行橋市の事例を引きながら本市でも市道認定をしてほしいというお願いもいたしましたけれども、困難であるということです。しかし、せめてこの交差部における安全対策の充実だけはしていただきたいという思いもあります。 そこで再びお尋ねしますが、私道路上の戸数に関し、本市では現在三十戸以上が必要という要件になっていますけれども、他都市において中核市でも五戸あるいは十戸という要件になっているところもあります。本市でもこのように基準の緩和を行うべきだと考えますが、見解をお示しください。 第二、集合住宅のとらえ方についてお尋ねしますが、集合住宅は現在は一棟一戸とみなしており、大変不利な状況に置かれております。集合住宅における世帯数や自動車数等によって、そのとらえ方を現実に合った形に見直すべきだと考えますが、見解をお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 設置基準の見直しについてでございますが、平成十七年度要望におきましては、設置基準を満たす件数が約三百八十件あり、うち約三百三十件設置いたしております。残りの約五十件は今年度設置する計画であり、要望があった年度には設置できない件数がまだ多くあることから、当面は現行のままで対応したいと考えております。なお、集合住宅のとらえ方につきましては、他都市の基準等を参考に今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 戸数の引き下げは難しいということでしたけれども、集合住宅のとらえ方は研究されるということで、できるだけ多くの危険な交差部が解消されますよう工夫していただきたいなというふうに思います。 交通安全対策の充実に関し、次に鹿児島中央駅西口の立体駐車場に至る箇所の歩行者の安全確保についてお伺いします。 鹿児島中央駅西口の立体駐車場に進入する通路が危険ではないかとの御意見が寄せられております。車両が立体駐車場に向かう場合、歩道を乗り上げて横断する形で進入することとなり、歩道を歩いている歩行者は、いきなりの車両の進入に驚く機会のある場所となっております。特に、この駐車場への通路に直進してきた車両は、本当は違反ではありますが、スピードを出したままこの歩道を横断することがあります。歩行者も危険を感じずにはおられません。 そこで、この箇所の歩行者の安全確保に関し以下お尋ねします。 第一、これまでの経緯と当局の現状認識についてお示しください。 第二、この件に関する鹿児島県警等の見解はどのようになっているものかお示しください。 第三、この駐車場への通路に直進することは禁止されておりますが、実際は直進車両が散見される状況です。この車両の直進の現状とその対策はどのようになっているものかお示しください。 第四、お尋ねしている歩道上で人身事故等の事故が起こった場合の責任の所在はどのようになっているものかお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 駅ビル立体駐車場西側入り口に接する交差点の安全対策についてお答えいたします。 当該交差点の形状につきましては、鹿児島県公安委員会との協議を踏まえ整備したものでございます。本市といたしましては、駐車場へ進入する車両が交差点を直進する状況が散見され、歩行者保護の観点からさらに安全対策の充実が必要と認識いたしております。 鹿児島県公安委員会といたしましても、本市と同様、歩行者保護等の観点から、交通管理上注意を要する箇所として認識しているとのことでございます。 おただしの交差点から駐車場に直進して進入する車両については、駐車場の管理者に対して歩行者の安全確保を行うよう、これまで要請しているところでございます。そのことから、車両の直進進入禁止の看板や入り口付近の監視カメラの設置、駐車場の利用状況により、誘導員を配置することなどの対応がなされているところでございます。 なお、歩道上における事故の責任につきましては、関係法令等により判断されるものと考えております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 本市もあるいは県公安委員会も危険な箇所であるということは御認識でいらっしゃるようです。 そこで、この箇所の安全確保のため、本市及び関係機関が十分検証した上できちんと対応すべきだと思いますが、見解をお示しください。 以上、御答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 本市といたしましては、歩行者の安全確保を図るために、交差点を十字路交差点に改良することを含め、駐車場管理者や関係機関と協議を行っていくことといたしております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 協議を進めていくとのことでしたので、見守ってまいりたいと思います。 次に、地域SNSの創設についてお尋ねします。 ソーシャルネットワークサービスあるいはソーシャルネットワーキングサイトの略であるSNSは、インターネット上での日記や掲示板、メール配信などの機能を使って、インターネット上でコミュニケーションや情報共有を安心して行うことができるサイトであり、参加者が互いに友人を紹介し、新しい友人関係を広げることを目的に開設されおります。 総務省の報告によりますと、今後はブログよりもSNSの利用がかなり多くなるということで、総務省は、このことに基づきまして現在国の総務省の研究会の報告を受けまして、昨年度東京都千代田区や新潟県長岡市で地域SNS、自治体による地域SNSづくりの実証実験を行いまして、それを推進しようとされております。我が国では、熊本県八代市も先行事例ですけれども、今後は情報通信技術を利用した新しい形の地域コミュニティーづくりが期待されております。 そこで、このことを踏まえてお尋ねします。 第一、地域SNS創設の意義について当局の見解をお示しください。 第二、他自治体の取り組みに対する見解をお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 お触れになりましたように地域SNSは、インターネット上で掲示板やメール配信などの機能を使ってコミュニケーションや情報共有を安心して行うことができるサイトのことでございますが、これは地域コミュニティーの活性化や地域社会への住民参画のための一つの手法として、意義あるものと考えております。 次に、他自治体の取り組みでございますが、昨年度総務省において長岡市や千代田区での地域SNSの実証実験が実施されましたほか、八代市や山梨県都留市など幾つかの自治体で導入されているところでございますが、その掲載内容や運営形態などは、それぞれさまざまな特色を持っているようでございます。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 当局として、地域SNSについては一定の意義を認識されておりました。私は、東京都千代田区でお話をお伺いする機会もありましたが、現実の地域社会と密接に連動し、顔の見える地域コミュニティーづくりのインターネットによる新しい展開を強く感じました。千代田区では、災害があった場合はこのサイトが災害時モードに切りかわり、マスコミでは伝わらない草の根メディアになるとのことでした。本市でも大いに効果のある政策になるかと思います。 そこで、本市の今後の取り組みについて見解をお聞かせください。 以上、御答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) 本市の今後の取り組みについてでございますが、地域SNSの運営主体は、自治体やNPO、企業、個人などさまざまあるようでございます。したがいまして、本市としては、まずは導入している自治体を初め他都市の状況について調査研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [井上 剛議員 登壇] ◆(井上剛議員) 御答弁いただきました。 調査研究されるとのことで楽しみにしたいと思います。鹿児島では、民間運営のSNSも既に存在しており、その活用も一つですが、ソフトプラザ、ソーホーかごしまなどとの連携も今後の一つの方策かと思います。今後の実施を楽しみにして、私の個人質疑をすべて終わらせていただきます。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、井上 剛議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) △延会 ○議長(赤崎正剛君) ここでお諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明日に延会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(赤崎正剛君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 なお、明日は午前十時から会議を開きます。 本日は、これにて延会いたします。              午 後 四時二十六分 延 会            ─────────────────地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。         市議会議長   赤  崎  正  剛         市議会議員   谷  川  修  一         市議会議員   三 反 園  輝  男...